この連載の目次(全8回・完結)
- 01ワインの名前で迷子にならないために、まず5つの言葉だけ無料
- 02よく見る5ブランドは、ラベルのどこを見るかが違ういまここ
- 03レストランの歩き方読み放題
- 04値段の構造——800円と8万円の間に何があるのか読み放題
- 05スーパーの棚は読める読み放題
- 06泡の教養——シャンパンと、それ以外の線引き読み放題
- 07「当たり年」の話に乗る読み放題
- 08最終回——ワインの話に入る読み放題
スーパーのワイン棚には、アルパカ、イエローテイル、コノスル——動物の絵や外国語のラベルが並ぶ。どれも見たことはあるのに、何が違うのかは分からない。実は、この棚でよく見かける5つのブランドは、ラベルのどこを最初に見るかがそれぞれ少しずつ違う。5本ぶんの見方が入ると、棚の残りも同じ文法で読めるようになる。
前回、ワインの名前には層があると書いた。店の枠、品種、産地、保護名称。今回はその層を、実物のラベルの上で確かめる。
5本は、5つの別世界ではない
ブランド|チリ
サンタ・ヘレナ・アルパカ
チリのワインブランド。輸入者はアサヒビール
「カベルネ・メルロー」のように、品種名が商品名の並びに入る
ブランド|オーストラリア
イエローテイル
オーストラリアのブランド。日本ではサッポロビールが扱う
シラーズ、シャルドネなど、品種の名前でラインが分かれる
ブランド|チリ
コノスル
チリのブランド。総輸入元は株式会社スマイル
品種名に「ビシクレタ・レゼルバ」というシリーズ名が加わる
ブランド|イタリア
タヴェルネッロ
イタリアのブランド。サントリーが扱う
品種名を出す商品と、出さない商品が同じブランドに並ぶ
ブランド|チリ
フロンテラ
チリのブランド。メルシャンが扱う
同じワインに小瓶から大容量まで、容量の違いがある
順位表ではない。5つともワインのブランド名で、品種名や産地名とは層が違う。国と、ラベルで最初に見る場所を分けるための入口。
5つとも、ブランドの名前だ。品種でも産地でもない。そして5本のうち3本がチリであることは、隠さずそのまま使う。品種名をラベルの前面に書く型のブランドがチリに多く、日本のスーパーの棚で「品種から選ぶ」練習に向いているからだ。地理の見栄えのために見かけない銘柄へ差し替えるより、実際の棚で会える5本から始めるほうが早い。
ブランド・品種・国を分ける
前回の層を、棚の言葉に置き換えると三つになる。ブランド名は造り手や売り手の側の名前。品種名はブドウの名前。国は産地のいちばん大きな単位だ。「アルパカのカベルネ、チリの」と言えた時点で、あなたはこの三つを分けている。
アルパカはブランドで、カベルネ・ソーヴィニヨンは品種で、チリは国。「赤ワイン」はそのどれでもなく、いちばん大きな色の分類だ。新世界のブランドは、この三点をラベルの表で完結させることが多い。まずは動物のラベルで覚えやすい一本から。
最初の1本——アルパカを見る
サンタ・ヘレナ・アルパカは、チリのワインブランドだ。輸入者がアサヒビールであることは、公式の商品情報に明記されている。棚で見つけたら、ラベルの表で二つだけ確認する。
一つ、ブランド名。「サンタ・ヘレナ・アルパカ」までがブランドの名前で、動物のアルパカは棚での目印になる。
二つ、その下の品種名。たとえば定番の赤には「カベルネ・メルロー」とある。これは一つの品種の名前ではなく、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの2品種を合わせたブレンドであることが、公式の商品説明に書かれている。味の方向も同じ説明が教えてくれる——熟した黒い果実の風味と、まろやかなコク。品種名が2つ並んでいたら、その2品種のブレンド。このルールは、ほかのブランドのラベルでもそのまま使える。
赤のほかに白や泡、ロゼもあり、同じアルパカの中で色を変えて試せる。これでラベルの読み方は一周した。ブランド名で棚の場所が分かり、品種名で味の見当がつき、2つ並べばブレンド。この一周は、残りの4本でも同じように回る。ただし、ブランドごとに「最初に見る場所」が少しずつ違う。
ここまでで、5ブランドの並びと、アルパカのラベルの読み方が分かりました。続きでは、イエローテイル、コノスル、タヴェルネッロ、フロンテラの見る場所、5本の比較表、ワイン好きが楽しんでいる4つの軸、店と売り場での選び方まで整理します。
無料会員限定
イエローテイル——品種別ラインを、公式の一言で選ぶ / コノスル——品種の名前に、シリーズ名が一つ加わる / タヴェルネッロ——品種名を出す型と、出さない型 / フロンテラ——容量と品種は、別の情報 / 5ブランドを、見る場所で並べる / ワイン好きは、違いを一つ見つけて楽しんでいる / 店と売り場での、最初の選び方 / 品種図鑑は、見つけた名前だけ引く
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