ソーヴィニヨン・ブランは、飲む前に分かる白だ。グラスを鼻に近づけただけで、柑橘と青い草の匂いが立ち上がってくる。
どんな白か

香りが先に来る。グレープフルーツやレモンのような柑橘に、グーズベリーや白い果実。そこへ刈りたての草やピーマンのような、青い葉を思わせる匂いが混じる。果実と青葉が同じグラスの中に並ぶのが、この品種の特徴である。
口に入れると酸がはっきりして、後味が切れる。冷やして飲むと、この切れがいっそう際立つ。
ロワール——サンセールとプイィ・フュメ
フランス中部、ロワール川の上流にサンセールがある。この土地の白はソーヴィニヨン・ブランで、味はフレッシュで繊細。畑の桃や洋梨のような白い果実と、グレープフルーツの柑橘が前に出る。

サンセールは、爽やかで切れるだけの白ではない。口に入れた瞬間はやわらかく、そこから豊かに丸くなっていく。パスカル・ジョリヴェのサンセールは、澄んだ果実味が口の中に広がる一本である。
川を挟んだ向かいのプイィ・フュメも、同じ品種の白だ。こちらはエニシダとグレープフルーツの香りに、火打石を打ち合わせたような匂いが乗る。珪石を含む土地の白に典型的な香りである。
マールボロ——谷が変わると、香りが変わる

ニュージーランド南島のマールボロは、1980年代にこの品種でその名を世界に知らせた土地である。パッションフルーツやトロピカルフルーツの華やかな香りに、刈りたての草、トマトの茎、赤いピーマンが混じる。青さと南国の果実が同居して、香りは強く、果実の輪郭は澄んでいる。
この香りは、谷でも変わる。主産地のワイラウ・ヴァレーはより熟してトロピカル寄り、南のアワテレ・ヴァレーはより青くミネラル寄りになる。アワテレは涼しく、乾いていて、風が強い。ヴィラ・マリアのマールボロは、草花系と柑橘の香りに、ライムジュースのようなみずみずしさがある。
ボルドーの白と、チリの海寄りの産地
ボルドーの辛口白では、この品種はセミヨンと組んで使われる。ソーヴィニヨン・ブランが生き生きとした部分を、セミヨンが厚みと丸みを受け持つ。樽で仕上げたものには、ヘーゼルナッツや蜂蜜の匂いも混じる。
チリでは、太平洋に近いレイダやカサブランカでこの品種が造られている。レイダのT.H.は、ライチやグレープフルーツ、トロピカルフルーツの香りにミネラル感のある一本である。
料理と温度
温度は8〜12℃。よく冷やすと酸の切れが立ち、少し温度が上がると香りが開く。
料理は魚介が合わせやすい。ホタテのマリネ、白身魚、貝類。酸が魚の脂と塩気を受け止めるからで、レモンを搾る役をワインが引き受けると考えると分かりやすい。柑橘やニンニクを使ったソース、トマトや酢を使った料理とも合う。サンセールには山羊のチーズという組み合わせもある。