この連載の目次(全8回・完結)
- 01ワインの名前で迷子にならないために、まず5つの言葉だけ無料
- 02よく見る5ブランドは、ラベルのどこを見るかが違う無料会員
- 03レストランの歩き方読み放題
- 04値段の構造——800円と8万円の間に何があるのかいまここ
- 05スーパーの棚は読める読み放題
- 06泡の教養——シャンパンと、それ以外の線引き読み放題
- 07「当たり年」の話に乗る読み放題
- 08最終回——ワインの話に入る読み放題
第1回で名前の層、第2回でよく見る5ブランド、第3回で店での振る舞いを渡した。もう注文で困ることはない。それでも、棚の前でもう一つだけ手が止まる瞬間がある——値段だ。同じ棚に800円と8万円が並び、あなたはなんとなく「高いほうが、間違いない」と思っている。
先に、いちばん安いほうから分解する。800円のワインを1本、レジに持っていく。このうち、いくらが「ワインそのもの」の代金だと思うだろうか。
まず税金が引かれる。日本では、ワイン(果実酒)に酒税が1本あたり75円かかる(2023年10月に引き上げられ、この額になった)。そこに消費税が約73円。あわせておよそ150円、800円のうち5分の1近くが、飲む前から税金だ。残りの650円で、瓶とコルク、輸入と輸送、倉庫、卸と小売の利益、そして中身のブドウ——このすべてを賄う。
順番に引いていくと答えが出る。いちばん安い一本で「ワインの液体そのもの」に回っているお金は、驚くほど少ない。800円のワインが物足りないことがあるのは当然で、あなたの舌のせいではない。値段の大半は、中身ではなく、税と瓶と輸送に消えている。
これが価格の構造の一段目だ。では、そこから8万円までの間に、何が積み上がっていくのか。
ここまでで、800円のワインは中身より税・瓶・輸送を買っている、と分かりました。続きでは、8万円の一本に何が積み上がるのか、そして「値段は味を約束しない」という研究の答えまでを渡します。
読み放題プラン限定
8万円に、積み上がっていくもの / それでも、値段は味を約束しない / だから、狙うのは「格の一段下」 / 会話での使い方
受付は準備中です。開始はニュースレターでお知らせします。