この連載の目次(全8回・完結)
- 01クルマの話で迷子にならないために、まず5つの言葉だけ無料
- 02クルマは、買わなくても「自分ならどう使うか」で楽しめるいまここ
- 03名車スター名鑑読み放題
- 04車種の地図——SUV・セダン・軽の「なぜ売れる」読み放題
- 05EVは「賛成か、反対か」で語らなくていい読み放題
- 06F1という「メーカー戦争」読み放題
- 07ディーラーと試乗の歩き方読み放題
- 08最終回——クルマの話に入る読み放題
クルマの違いを知ろうとすると、価格、馬力、燃費、排気量の表が始まりやすい。しかし、まだ買う予定のない人には数字が自分の生活へつながらない。先に置くのは数字ではなく、誰と、どこへ行くかだ。毎日一人で使うのか、家族を乗せるのか、狭い道の先へ行くのか、ただ運転を楽しみたいのか。場面を一つ置くと、車の形に理由が見えてくる。
5台は、優劣ではなく役割が違う
車名|トヨタ
プリウス
毎日の移動へ、ハイブリッドを身近な選択肢として持ち込んだ一台
置く場面: 通勤、買い物、街と高速をまたぐ移動
車名|トヨタ/ミニバン
アルファード
運転席だけでなく、同乗者が過ごす広さと快適さを主役にした一台
置く場面: 家族、親、友人を乗せる長い移動
車名|スズキ/四輪駆動車
ジムニー
小さな車体に、荒れた道や狭い道の先へ進む役割を持たせた一台
置く場面: 山道、雪道、道具を持つ外遊び
車名|マツダ/スポーツカー
ロードスター
二人乗りと軽さへ絞り、移動より運転そのものを楽しむ一台
置く場面: 一人か二人で、景色のよい道を走る休日
車名|ポルシェ/スポーツカー
ポルシェ911
同じ名前と輪郭を長く磨き、速さと日常で使うことを両立してきた一台
置く場面: 長く続く型や、設計の積み重ねを楽しむ
価格順でも人気順でもない。自分なら誰と、どこへ行くかを考えるために、役割がはっきり違う5台を並べた。
ここでも名前の種類を確認しておく。プリウス、アルファード、ジムニー、ロードスター、911は、すべて車名だ。トヨタ、スズキ、マツダ、ポルシェはブランド。ミニバン、四輪駆動車、スポーツカーは車の種類である。
まず「誰と、どこへ」を一つ置く
5台から好きな一台を決めなくてよい。次の中で、今の自分に近い場面を一つ選ぶ。
- 毎日の移動を、気負わずこなしたい
- 家族や親を乗せて、長く移動したい
- 舗装された道の先まで行ってみたい
- 一人か二人で、運転する時間を楽しみたい
- 昔から続く形や設計を、長く眺めたい
選んだ場面が、そのまま車を見る入口になる。たとえば家族を乗せるなら、最高速度より、乗り降り、座る位置、荷物、車内で過ごす時間が気になる。休日に一人で走るなら、座席数の多さより、軽さや屋根を開ける体験に意味が出る。
クルマの違いは、スペック表より先に、何を諦めて何を大きくしたかに表れる。
プリウス——毎日の移動へ、ハイブリッドを持ち込んだ
プリウスは、トヨタが1997年に発売した量産ハイブリッド乗用車だ。ガソリンエンジンとモーターを組み合わせる仕組みを、実験車ではなく日常で使う車として広く見せた。
入口で細かな機構を覚える必要はない。面白いのは、「何で走るか」が車の個性として前へ出たことだ。それまで車の話で中心になりやすかった大きさや速さに、燃料と電気をどう使うかという見方を足した。
プリウスを自分の生活へ置くなら、通勤、買い物、送り迎え、高速道路を含む遠出を思い浮かべる。毎日使う回数が多いほど、派手な一日より、日々の小さな移動をどう整えるかが主役になる。
見かけたときは、次の一つだけ見ればよい。
低く流れるような形は、車内の広さだけでなく、空気の抵抗を減らし効率よく走る目的ともつながっている。
プリウスが気になる人は、車を趣味の道具というより、毎日の仕組みとして見る入口を持っている。
ここまでで、5台の違いを「誰と、どこへ行くか」で見る方法と、プリウスの役割が分かりました。続きでは、アルファード、ジムニー、ロードスター、ポルシェ911を同じ目線で見比べ、所有しなくてもクルマを楽しむ3つの入口とメーカー図鑑の引き方を整理します。
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アルファード——運転する人より、乗る人の時間を大きくする / ジムニー——小さいまま、道の先へ行く / ロードスター——二人乗りに絞ると、移動が遊びになる / ポルシェ911——同じ名前を、六十年以上磨き続ける / 5台を「誰と、どこへ」で並べ直す / 所有しなくても、三つの見方で楽しめる / メーカー図鑑は、気になった一社だけ引く
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