大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

CARメーカー図鑑マツダ

マツダ——思いどおりに動く運転感覚と、面に映る光

広島で1931年の三輪トラックから始まり、ロータリーエンジンで名を上げた会社。「人馬一体」を日常の運転に置き、線を減らした面で形を見せる。

CX-80のドアには、横に走る目立つ折り目がない。光が面の上を帯になって動く。この面の作り方は、MAZDA3やCX-60にも共通する。

LOOK

線を減らして、光で見せる

外観の考え方を、マツダは「魂動(こどう)」と呼ぶ。生き物の一瞬の動きのような生命感を車に与える、というもので、作り方は引き算である。線を減らし、残った面の反射で形を見せる。2012年の初代CX-5が、この考え方の最初の量産車だった。

MAZDA3やCX-60、CX-80には目立つ折り目の線がなく、SUVでも低く滑らかに見える。MAZDA3の側面は面のうねりだけで作られ、CX-60とCX-80は長いボンネットに運転席が後ろへ下がった、堂々とした姿をしている。2026年の3代目CX-5は、四つのタイヤの踏ん張りを見せる造形と、先端を高く厚くしたボンネットで顔を作った。面の仕上げは人の手で研ぎ澄ますと会社は言い、金型になる前の粘土の模型を職人が削る。

マツダCX-80を斜め前から。グレーの3列シート大型SUV
CX-80(2024年〜)。CX-60と同じ系統で、写真は充電できるハイブリッドの型。ドイツで撮影Photo: Alexander-93 / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ・ナンバープレート部ぼかし(背景車両含む)
STRENGTH

走る歓びは、日常の運転にある

掲げる言葉は「走る歓び」と「人馬一体」である。1989年の初代ロードスターで掲げた人馬一体は、車が身体の一部のように思いどおりに動くことを指す。マツダはこれをサーキットの速さではなく、朝の通勤で滑らかに車線を変えられた瞬間や、狭い駐車場にぴたりと停められたときの気持ちよさで説明する。

そのために、まっすぐ座れる運転席と足を自然に置けるペダルの位置を先に決め、ロードスターだけでなくSUVにも同じ考えを使う。上級の系統では、大きなエンジンを縦に積んで後ろのタイヤを回す、大型の高級車に多い配置を選んだ。

ORIGIN

三輪トラックと、ロータリー

マツダは1931年、広島で荷台を持つ三輪トラックから車づくりを始めた。乗用車の最初は1960年の小さなR360クーペで、1967年にはロータリーエンジンを積んだコスモスポーツを発売した。ピストンが上下せず、三角形の回転体が回る小さく軽いエンジンで、多くの会社が開発をやめたあとも、マツダは量産を続けた。

マツダRX-7(FD3S型)を正面から。銀色の低いスポーツカー
RX-7(3代目・1991年〜)。小さなロータリーエンジンを積んだ、低いボンネットのスポーツカーPhoto: 先従隗始 / Wikimedia Commons / CC0 1.0リサイズ・ナンバープレート部ぼかし

ロータリーは2012年に一度量産を終え、2023年に、電気で走るMX-30の発電用として戻った。

MODELS

ロードスター、CX-5、CX-60とCX-80、MAZDA3、MX-30

ロードスター——小さく軽い二人乗りのオープンカー。1989年の初代から続き、2015年の4代目は「たった1gでも軽く」を掲げて作られた。幌を手で開け閉めする型と、屋根の中央が電動で収まるRFがある。海外名はMX-5。

CX-5——主力のSUV。2012年の初代で魂動の造形を最初に量産し、2026年に3代目になった。家族で使う大きさで、モーターがエンジンを助ける型が加わり、一番多くの人にマツダを届ける車だと会社は位置づける。

CX-60/CX-80——上級の系統。エンジンを縦に積む配置でボンネットが長く、2022年の二列のCX-60と、2024年の三列のCX-80がある。CX-80が国内の旗艦で、外から充電できるハイブリッドの型もある。

MAZDA3——小型車。後ろの扉が持ち上がるファストバックとセダンがあり、側面に折り目の線がなく、面のうねりで形を見せる代表である。同じ骨格の背を高くしたSUVがCX-30である。

MX-30——2020年に出た小さなSUVで、2023年にロータリー発電機を積んだ型が加わった。この型は電気で走り、電池が減るとロータリーが発電する。前後の扉が観音開きに開く。

マツダ・ロードスター(ND型)を斜め前から。幌を開けた黒い小さなオープンカー
ロードスター(4代目・2015年〜)。オーストラリアで撮影Photo: EurovisionNim / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ・ナンバープレート部ぼかし