後ろの席でくつろぐSクラス、家族と仕事のEクラス、街で扱いやすいCクラス。同じ骨格を高くしたGLCと、1979年から箱の形を続けるGクラス。役割の違う車が、安全と快適という一つの考えで作られている。
発明者の会社と、1959年のセダン
メルセデス・ベンツは、1886年に互いを知らずに自動車を発明したゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツ、その二人の会社が1926年に合流してできた。三つの角を持つ星の印は、ダイムラーの側から来ている。
いまの車づくりを決めたのは、1959年のセダンである。ぶつかったとき前後が潰れて衝撃を吸い、客室を守る構造を、この車で量産車に持ち込んだ。メルセデスはこれを安全の歴史の出発点に置いている。

安全と快適に力を入れる
メルセデスが力を入れるのは、安全と快適である。乗る人を守る装置や、疲れずに長く走るための装備の多くは旗艦のSクラスに先に載ってきたが、歩行者を見つけて自動でブレーキをかける装置のように、Eクラスから入ったものもある。小さいCクラスでも、乗り心地のよさと静かさは同じ考えで作られている。
セダンのほかに、同じ考えのSUVがGLCやGLEの名で並び、速さを求める人には高性能版のAMGがある。AMGは同じ車を土台に、エンジンと足回りを速く走るために作り直した型で、グリルが縦の格子に変わる。最上級にはマイバッハの名が付き、Sクラスのマイバッハは後ろの席で過ごすための車になる。
Sクラスから、Gクラスまで
Sクラス——旗艦のセダン。1972年からこの名前が続き、後ろの席でくつろぐことと、長い距離を静かに走ることの両方を高い水準で満たす。長く低い車体に、大きなグリルと星を持つ。
Eクラス——Sクラスの下のセダン。Sクラスの考え方を一回り小さな車体に収め、家族で使う人にも、仕事で長距離を走る人にも向く。同じ骨格でワゴンもある。
Cクラス——入口のセダン。三段の中で一番小さく、街で扱いやすい大きさである。ワゴンもある。
GLC——SUVの中心にある車。Cクラスと同じ大きさの骨格を高くしたもので、この会社で一番多く売れている車種である。2025年に発表された電気で走る型が、光るグリルを最初に持った。
Gクラス——1979年から角ばった箱のまま続く四輪駆動車。軍用の契約のために設計され、はしご型の頑丈な骨組みと悪路を走るための装置を残したまま、2018年に中身を作り直して乗り心地と内装を高級車の水準に上げた。2024年には電気で走る型も加わった。

面で見せる車体と、100年の顔
車体は、折り目で立体を出すのではなく、面のふくらみで見せる。余計な線を消し、面に映る光で高級感を出す考え方で、2010年代からの車に共通している。セダンは長く低く、SUVもフェンダーの張り出しより面の滑らかさが目に入る。
顔は、前面のグリルと中央の星である。グリルは100年以上この会社の顔で、当初は縦長、近年は横に広い格子だった。2025年、電気で走るGLCで、エンジンを冷やす穴だったその場所が光る印に変わった。穴が要らなくなったので、顔の意味を作り直した、とメルセデスは書いている。
Gクラスだけは、この流れの外にある。角ばった箱の輪郭、外に出たドアの蝶番、フェンダーの上の大きなウインカー、背中に背負ったスペアタイヤを、2018年の世代交代でもそのまま残した。
