大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

CARメーカー図鑑ボルボ

ボルボ——安全を原則にした、北欧の会社

1927年にスウェーデンで始まり、安全を設計の原則に置いてきた会社。三点式ベルトの開放から速度の上限まで。いまはSUVを中心に、なだらかな面の北欧のデザインで作る。

2020年、ボルボは自社の全新車の最高速度を時速180キロに制限した。速く走れる車を作る会社が、安全のために自分で上限を決めた。

STRENGTH

安全を、設計の原則にする

ボルボは1927年にスウェーデンのイェーテボリで始まった。1936年の販売の手引きに、自動車は人が運転する、だから設計の原則は安全でなければならない、という趣旨の文がある。1959年には三点式のシートベルトを実用化し、特許を無償で世界に開放して、他社の車にも広げた。

いまの目標は、新しいボルボの車で誰も死なず、重傷を負わないことである。最高速度の上限は、速度の危険を伝えるための決断だとボルボは説明する。

安全と並んで力を入れるのが、乗り心地と静かさ、そして北欧のデザインである。飾りを減らした車内に本物の素材を使い、長く乗って疲れないことを高級車の条件にしている。

ボルボPV544の側面。丸みを帯びた黒い2ドアセダン
PV544(1958年〜)。ドイツで撮影。三点式のベルトは1959年から、この車と、アマゾンという名の車に付いたPhoto: Dietmar Rabich / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ
LOOK

角ばった箱から、なだらかな面へ

かつてのボルボは、角ばった箱のような車体だった。1970年代から90年代まで続いた240というセダンとワゴンがその代表で、頑丈で長持ちする車という評判は、この240の時代に固まった。

いまの車は面がなだらかで、ボルボはこれを「北欧のデザイン」と呼ぶ。線を減らし、屋根の線を流して、落ち着いた姿に見せる。ヘッドライトは「トールハンマー」と呼ばれるT字の形で、昼も夜も同じ形に見える印として作られた。走っている車を遠くから見分ける手がかりが、この形である。

ボルボEX30を斜め前から。グレーの小型SUV
EX30(2023年〜)。T字のライトが分かる。ドイツで撮影Photo: Alexander-93 / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ・ナンバープレート部ぼかし
MODELS

XC60、XC90、EX30、EX90、ES90

XC60——主力のSUV。2008年の初代で、前の車にぶつかりそうなとき自動でブレーキをかける装置を標準で付けた最初の車になり、2017年から2代目が続く。家族で使う大きさで、エンジンと外から充電できるハイブリッドの型がある。

XC90——三列の席を持つ大型のSUV。2015年に出た2代目でT字のライトが始まり、いまのボルボの顔の出発点になった。長い距離を家族で移動するための車で、静かさと乗り心地を上の水準で作る。

EX30——この会社で一番小さいSUVで、電気だけで走る。2023年に出た入口の一台で、短い車体にT字のライトと、飾りの少ない車内を持つ。

EX90——電気で走る三列の大型SUVで、旗艦の一つ。車内は大きな縦の画面と、本物の木や織物で作られている。

ES90——2025年に出た電気で走る旗艦のセダン。後ろの扉が持ち上がり、車高をわずかに上げた、セダンとSUVの間のような形である。

ボルボXC60の後方視。銀色のミドルSUV
XC60(2代目・2017年〜)。写真は改良後の型を後ろからPhoto: Alexander Migl / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ