2020年、ボルボは自社の全新車の最高速度を時速180キロに制限した。速く走れる車を作る会社が、安全のために自分で上限を決めた。
安全を、設計の原則にする
ボルボは1927年にスウェーデンのイェーテボリで始まった。1936年の販売の手引きに、自動車は人が運転する、だから設計の原則は安全でなければならない、という趣旨の文がある。1959年には三点式のシートベルトを実用化し、特許を無償で世界に開放して、他社の車にも広げた。
いまの目標は、新しいボルボの車で誰も死なず、重傷を負わないことである。最高速度の上限は、速度の危険を伝えるための決断だとボルボは説明する。
安全と並んで力を入れるのが、乗り心地と静かさ、そして北欧のデザインである。飾りを減らした車内に本物の素材を使い、長く乗って疲れないことを高級車の条件にしている。

角ばった箱から、なだらかな面へ
かつてのボルボは、角ばった箱のような車体だった。1970年代から90年代まで続いた240というセダンとワゴンがその代表で、頑丈で長持ちする車という評判は、この240の時代に固まった。
いまの車は面がなだらかで、ボルボはこれを「北欧のデザイン」と呼ぶ。線を減らし、屋根の線を流して、落ち着いた姿に見せる。ヘッドライトは「トールハンマー」と呼ばれるT字の形で、昼も夜も同じ形に見える印として作られた。走っている車を遠くから見分ける手がかりが、この形である。

XC60、XC90、EX30、EX90、ES90
XC60——主力のSUV。2008年の初代で、前の車にぶつかりそうなとき自動でブレーキをかける装置を標準で付けた最初の車になり、2017年から2代目が続く。家族で使う大きさで、エンジンと外から充電できるハイブリッドの型がある。
XC90——三列の席を持つ大型のSUV。2015年に出た2代目でT字のライトが始まり、いまのボルボの顔の出発点になった。長い距離を家族で移動するための車で、静かさと乗り心地を上の水準で作る。
EX30——この会社で一番小さいSUVで、電気だけで走る。2023年に出た入口の一台で、短い車体にT字のライトと、飾りの少ない車内を持つ。
EX90——電気で走る三列の大型SUVで、旗艦の一つ。車内は大きな縦の画面と、本物の木や織物で作られている。
ES90——2025年に出た電気で走る旗艦のセダン。後ろの扉が持ち上がり、車高をわずかに上げた、セダンとSUVの間のような形である。
