低く構えたプリウスと、角ばった箱のランドクルーザーと、後ろの席のために作られたアルファードが、同じ店に並ぶ。トヨタの車は一台ごとに目的が違い、顔も違う。
壊れにくい実用車と、ハイブリッド
トヨタは、織機を作る会社の中の自動車部として1933年に始まり、1936年に最初の乗用車を出した。長く中心にあったのは実用車で、1966年のカローラが、安くて丈夫な大衆車として世界で売れた。壊れにくく燃費のよい大衆車を大量に作ることが、この会社の土台になった。

1997年のプリウスでは、エンジンとモーターの両方でタイヤを回すハイブリッド車を、量産の乗用車として世界で最初に出した。ハイブリッドはいま、小型車から大型ミニバン、SUVまで多くの車種に用意されている。電気だけで走る車に絞らず、ハイブリッド、外から充電できるハイブリッド、電気自動車、水素で走る車を並行して持つ方針を掲げる。
2015年からは車の骨格を作り直し、走る・曲がる・止まるの基本と、一目で欲しくなる見た目の両方を上げることを目標にした。
プリウス、クラウン、ランドクルーザー、アルファード、カローラ
プリウス——ハイブリッドの顔。1997年の初代から続き、2023年の5代目は低く構えた車体に、屋根が前から後ろまで一つの弧を描く形を持つ。燃費のよさに加えて、この低い姿と走りも前に出している。ランプは薄く横に広い。
クラウン——1955年から続く高級車の名前。2022年からの現行型は四つの形に分かれた。車高を上げて目線を高くしたクロスオーバー、後ろへ流れる屋根のスポーツ、運転手付きでも使うためのセダン、荷室の大きなエステートである。
ランドクルーザー——1951年から続く本格的な四輪駆動車。悪路を走って無事に帰ってくることを目的に、頑丈なはしご型の骨組みを持つ。大型で上級の300、実用の中核になる250、1984年からの形を続ける70、2026年に加わった小さなFJの四つの型がある。水平で角ばった車体を続け、250やFJでは運転席から前の路面が見えるようにボンネットの上面を低く取っている。
アルファード——後ろの席で過ごすための大型ミニバン。2023年の4代目は椅子と静けさに力を入れ、大きなグリルと四角い車体を持つ。兄弟のヴェルファイアは、同じ車体に別の顔を付けた車である。
カローラ——1966年から続く大衆車の名前。いまはセダン、ワゴンのツーリング、後ろの扉が持ち上がるスポーツ、車高を上げたクロスの四つの形がある。現行型は薄いランプの低い顔を持ち、名前は同じでも形は用途ごとに違う。
ハリアー/RAV4——同じ大きさのSUVの二本立て。ハリアーは街向けで、面が滑らかで屋根の線が後ろへ下がる。RAV4は2025年に6代目になり、薄く横に広いランプの顔をSUVに移した角ばった車体で、型によって顔の飾りが変わる。

顔は、車ごとに変える
トヨタには、全車共通の顔がない。全車種のデザインを統一する方法もあるが、トヨタはその一台が持ち主にとって唯一の存在になれるかどうかを重視する、とデザインの責任者は話している。
先進性を見せたい車には、薄く横に広いランプを一本の線のように置いた低い顔を使う。プリウス、クラウン、RAV4、電気自動車のbZ4Xがこの顔である。悪路の車には、水平で角ばった顔を使う。ランドクルーザーのヘッドライトが高い位置にあるのは、瓦礫や草に隠れないためだとトヨタは説明する。アルファードには大きなグリルの立った顔があり、車名ごとの紋章も残る。クラウンのグリル中央の王冠がその一つである。
