軽自動車の寸法とエンジンの大きさは、国が決めている。スズキはその中で、悪路を走る四輪駆動車も、安くて軽い車も、背の高い箱も作った。
小さく、軽く、無駄なく作る
スズキは浜松の織機の会社として始まり、1955年に軽自動車のスズライトで四輪に入った。1970年に悪路を走るジムニー、1979年に安く小さいアルト、1993年に背を高くして室内を取ったワゴンR。軽自動車で育った作り方を、スイフトのような世界向けの小型車にも使う。

小さく軽く、無駄を省いて作ることが、この会社の車づくりの芯にある。
軽自動車では、アルトの軽さと燃費、スペーシアの室内の広さ、ジムニーの悪路と、車ごとに強みが違う。
共通の顔を持たず、車ごとに姿を変える
スズキの車には、会社共通の顔がない。車種ごとの性格に合わせて、外観も変えている。
その中で形の理由を一番細かく説明しているのがジムニーである。四角い箱に丸いライトを付けた道具の形について、窓ガラスが立っているのは横に雪が溜まりにくいように、タイヤの周りの穴が台形なのは整備がしやすいように、と角ごとの理由をスズキは書いている。ボンネットは縁が下へ回り込んだ厚い形で、強度を高めるためである。

ジムニー、アルト、スイフト、スペーシア、ハスラー、ワゴンR
ジムニー——1970年から続く軽の四輪駆動車。はしご型の頑丈な骨組みを持ち、悪路を走るための本格的な作りをそのまま軽の寸法に収めている。2018年の4代目は角ばった箱と丸いライトを持ち、軽より幅の広い普通車のシエラ、2025年に出た5ドアのノマドがある。
アルト——軽の基本形。1979年の初代は低い価格で名を上げ、2021年の現行型は軽さと燃費と小回りを前に出す。飾りのない小さな箱の姿である。
スイフト——世界向けの小型車。2023年の4代目は軽くて硬い車体を作り、丸めた車体と外へ張り出したフェンダーで走りを見せる。インドをはじめ多くの国で売られている。
スペーシア——ワゴンRが広めた背の高い軽を、さらに高くした型。後ろの席の横の扉は引き戸で、四角い窓の大きな車体に、飾りを抑えた顔と飾った顔の型がある。
ハスラー——SUV風の見た目にした軽。車高を少し上げ、丸いライトと逆台形のグリルで、外へ出かける雰囲気を持つ。作りはワゴンRに近く、街で使う車である。
ワゴンR——1993年に背の高い軽という型を広めた車で、いまも続く。現行型は角の丸い箱で、飾りの少ない顔を持つ。
