この連載の目次(全8回・完結)
- 01ワインの名前で迷子にならないために、まず5つの言葉だけ無料
- 02よく見る5ブランドは、ラベルのどこを見るかが違う無料会員
- 03レストランの歩き方いまここ
- 04値段の構造——800円と8万円の間に何があるのか読み放題
- 05スーパーの棚は読める読み放題
- 06泡の教養——シャンパンと、それ以外の線引き読み放題
- 07「当たり年」の話に乗る読み放題
- 08最終回——ワインの話に入る読み放題
第1回で名前の層を、第2回でよく見る5ブランドを渡した。知識は十分だ。それでも、コースの店で困る瞬間がひとつだけ残っている——ボトルを頼むと、ソムリエがグラスに少しだけ注いで、こちらを見る。あの「どうぞ」で、頭が真っ白になる。
先に、あの儀式の正体を明かす。あれはホストテイスティングといって、あなたのワインの味覚を試すテストではない。
多くの人が「このワイン、おいしいか判定しろ」と言われている気がして固まる。違う。目的はただひとつ——注文したワインが劣化していないかの確認だ。コルクにはごく稀(数%)に不良品が混じり、「ブショネ」と呼ばれる、濡れた段ボールやカビのような不快な匂いを出すことがある。輸送や保管で傷んでいることもある。それを飲む前に見つけるための、ヨーロッパ由来の作法である。だから判断は「良し悪し」ではなく、「異常があるか、ないか」だけ。異常がなければ——世の中のほぼすべてのケースがそうだ——「大丈夫です、お願いします」で終わる。
味の好みは、ここでは一切問われていない。この一点を知っているだけで、あの30秒はもう怖くない。
ここまでで、テイスティングが「味の採点」ではないと分かりました。続きでは、実際の受け方の手順と、ソムリエへの予算・好みの伝え方、料理に合わせる一晩の設計までを渡します。
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テイスティングの受け方——3秒でいい / ソムリエは、敵ではない——予算と好みの渡し方 / 一晩の設計——「白から赤へ、軽いから重いへ」 / 会話での使い方
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