この連載の目次(全8回・完結)
- 01服の話は、センスで勝負しなくていい無料
- 02セレクトショップとは何なのかいまここ
- 03ブランド名鑑・国産編読み放題
- 04ブランド名鑑・海外編読み放題
- 05名品の系譜——なぜ「定番」は定番になったのか読み放題
- 06セールで冒険、定価で定番読み放題
- 07古着とアーカイブの教養読み放題
- 08最終回——服の話に入る読み放題
連載第1回で、服は「作り手」で見ると書いた。すると当然の疑問が来る——じゃあ、その作り手の服はどこで買えばいいのか。ブランドの路面店は敷居が高いし、そもそもどのブランドが自分に合うかも分からない。
その答えとして、日本には世界に誇る発明がある。セレクトショップだ。
仕組みは名前の通り。目利きのバイヤーが世界中から服を選んで(セレクトして)、一つの店に並べる。 あなたはブランドを知らなくていい。店の審美眼を信用して入れば、そこにあるものはすべて誰かのお眼鏡にかなった服だ——映画の連載を読んだ人は気づいただろう。A24を「映画のセレクトショップ」と呼んだ、あの構造の本家である。作品を一つずつ調べる代わりに、信用できる「選び手」を一つ持つ。服でも映画でも、教養の近道は同じ形をしている。
今回はこのセレクトショップの歩き方を渡す。まず、入店から退店までの30分の動き方。それから棚の読み方と、店員に話しかけられて固まらないための、たった一つの文。
- STEP 1入店する
「いらっしゃいませ」には会釈だけでいい。掴まりたくなければ「ちょっと見させてください」——身構えなくていい、ただの合図だ。
- STEP 2一周して、見る
まず何も聞かずに一周。気になる服のタグを一枚、静かにめくって、ブランド名と値段を見る。
- STEP 3聞く
探し物があるなら「仕事にも週末にも使えるジャケットを探していて」。用途を伝えると、店員も提案しやすくなる。
- STEP 4試着する
「これ、着てみていいですか」。試着して買わないのは失礼ではない——サイズと佇まいの確認は、買い物のふつうの手順だ。
- STEP 5断る
合わなければ「イメージと違いました、ありがとうございます」で十分。無言で去るのが、一番気まずい。
- STEP 6退店する
「ありがとうございました」で出る。何も買わずに帰るのは、客のふつうの過ごし方——今日の目的は偵察でいい。
全ステップに「そのまま言える一言」を付けた。買わずに出ていいし、話しかけられても怖くない——この6歩が体に入れば、店はただの美術館になる。
ここまでで、セレクトショップという発明と、入店から退店までの動き方が見えました。続きでは、棚に混ざる3種の服の見分け方と、店員に固まらないためのたった一つの文、最初の一軒の選び方までを渡します。
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仕組み——「セレクト」と「オリジナル」と「別注」 / 店で固まらないための、たった一つの文 / どの店から入るか——御三家+2
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