大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO無料会員登録

FASHION連載「服の教養」第5回

名品の系譜——なぜ「定番」は定番になったのか——白T・デニム・革靴。値段の差は「作り方」で説明できる

5千円の白Tと8千円の白T、同じデニムでも1万円と3万円は、見た目が同じなのに何が違うのか。名品の値段差は、飾りやブランド代ではなく「作り方」で説明できる。白T・デニム・革靴の定番が定番になった理由と、値段差を一言で返す型まで。

読了 7公開 2026.07.20最終確認 2026.07.20
この連載の目次(全8・完結
  1. 01服の話は、センスで勝負しなくていい無料
  2. 02セレクトショップとは何なのか無料会員
  3. 03ブランド名鑑・国産編読み放題
  4. 04ブランド名鑑・海外編読み放題
  5. 05名品の系譜——なぜ「定番」は定番になったのかいまここ
  6. 06セールで冒険、定価で定番読み放題
  7. 07古着とアーカイブの教養読み放題
  8. 08最終回——服の話に入る読み放題

同じ白い無地のTシャツが、片方は1,000円、片方は8,000円で並んでいる。見た目はほぼ同じ。あなたは「8倍もするのはブランド代だろう」と思って、安い方を手に取る——その判断は、半分だけ正しい。

第1回で、値段は素材と工程の翻訳だと書いた。今回はその中でも、何十年も売れ続ける「定番」——白Tシャツ、デニム、革靴——に絞る。定番の名品には、値段差を説明できる共通の理由がある。まず白Tから。

高い方の白Tの正体は、たいてい「作り方」だ。安い白Tは高速の編み機で編む。対して名品と呼ばれる白Tの一部は、「吊り編み(つりあみ)」という古い機械で編む。天井から吊るした編み機が、糸に重力以外の力をほとんどかけずに、ゆっくり編んでいく。どれくらいゆっくりかというと、高速機が1分で編む量を、吊り編み機は1時間かける。糸が引っ張られないぶん、空気を含んだ、洗ってもへたらない柔らかい生地になる。和歌山の数えるほどの工場に、いまも古い機械が残っている。

つまり8,000円の白Tは、ロゴ代ではなく「遅い作り方」に払っている。同じ形なら、値段の差は作り方の差——速い機械か、遅い機械か。定番の名品は、どれもこの一言で読める。デニムと革靴で確かめよう。

ここから先は

ここまでで、白Tの値段差は「作り方の速さ」で説明できる、と分かりました。続きでは、デニムと革靴でも同じ見方が効くことと、値段差を一言で返す型までを渡します。

読み放題プラン限定

デニム——「耳」がある方が、なぜ高い / 革靴——「作り方」で、10年履けるかが決まる / 会話での使い方

受付は準備中です。開始はニュースレターでお知らせします。