この連載の目次(全8回・完結)
- 01服の話は、センスで勝負しなくていい無料
- 02セレクトショップとは何なのか無料会員
- 03ブランド名鑑・国産編読み放題
- 04ブランド名鑑・海外編読み放題
- 05名品の系譜——なぜ「定番」は定番になったのか読み放題
- 06セールで冒険、定価で定番いまここ
- 07古着とアーカイブの教養読み放題
- 08最終回——服の話に入る読み放題
第2回で歩いたセレクトショップも、いまは値札が赤い。百貨店の夏のクリアランスは6月26日に始まり、街は「セール」の一色だ。ここで去年のあなたを思い出してほしい——安くなった服を何枚か買って、結局そのうち着ているのは一枚か二枚。残りは、タグを切らないままクローゼットにある。あれは、あなたの意志が弱いからではない。買い方の順番が、逆だっただけだ。
第1回で、原則だけ先に渡してあった——「セールで冒険、定価で定番」。今回はこれを、レジ前で実際に使える形まで開く。まず、いちばん大事な一つの事実から。
セールに並んでいるのは、定価で売れ残ったものだ。当たり前に聞こえて、ここに全部が入っている。よく売れる服——多くの人が「これは定番だ」と認めた売れ筋は、定価のうちにサイズごと消えていく。店に値下げする理由がないからだ。裏を返せば、セール棚に厚く残るのは、売れ残った色やサイズ、そして冒険的な服のほうだ、ということになる。
具体的に考えてみる。あなたが本当に欲しいのは、たとえば無地のいいシャツを一枚、自分のサイズで、だとする(第1回の「きれいめの定番」だ)。ところが夏のセール会場でそれを探すと、たいてい自分のサイズだけ無い。定番の売れ筋は、セールまで残らないからだ。そして「せっかく来たのに」と、代わりに安くなった派手な一着を握って帰る——これが、毎年くり返す失敗の正体だ。
だから結論はこうだ。セールは、定番を安く買う場所ではない。 定番は、そもそも残っていない。セールが本当に得意なのは、別の買い物のほう——「定価なら手を出さないが、少し気になっていた」冒険だ。この2つの目的が入れ替わっているあいだ、買い物は当たらない。順番を直すだけで、失敗は驚くほど減る。
ここまでで、セールに並ぶのは定価で売れ残ったものだ、と分かりました。続きでは、何を定価で買い何をセールで冒険するかの一覧と、一年の買い時カレンダー、そして失敗しないための一つの問いまでを渡します。
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定価で買うもの、セールで買うもの / 一年の買い時——定番は「立ち上がり」に定価で / 会話での使い方
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