大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

DRINK — 連載「ビールの教養」 — 第3回

クリアアサヒ、金麦、本麒麟、淡麗極上〈生〉——4本の味と、ビールになる3本

スーパーで毎日のように見かける金麦が、2026年10月6日にビールになる。2007年の発売以来、ビールではない「新ジャンル」として売られてきた商品だ。

公開 2026.09.25最終確認 2026.09.25
この連載の目次(全7回・完結)
  1. 01スーパードライ、一番搾り、黒ラベル、ヱビス——定番4本の味と生い立ち
  2. 02アサヒ生ビール(マルエフ)、ザ・プレミアム・モルツ、サントリー生ビール、晴れ風——4本の味と、それぞれの事情
  3. 03クリアアサヒ、金麦、本麒麟、淡麗極上〈生〉——4本の味と、ビールになる3本いまここ
  4. 04同じ生ビールでも、店で味が変わる
  5. 05クラフトビールの香りと苦みは、どこから来るのか
  6. 06よなよなエール、水曜日のネコ、インドの青鬼、スプリングバレー——缶で買えるクラフト4本
  7. 07ハイネケン、コロナ、バドワイザー、ギネス、ヒューガルデン、ピルスナーウルケル——世界の定番6本の味

変わるのは表示だけではない。麦芽を増やし、造り方もビールのものに変える。10月の酒税改正でビールと発泡酒の税率がそろうのを機に、各社が中味に手を入れている。クリアアサヒと本麒麟も、この秋にビールになる。

KINMUGI

金麦——家で毎日飲むために造られた

金麦の缶。紺色の地に金色の「金麦」の文字と麦の穂、花火の絵
金麦(ビールへの変更前のパッケージ)

金麦は、家で毎日飲むビール類として売られてきた。狙いは麦のうまみだ。いま棚にある缶の品目欄には「発泡酒②」とある。

10月6日に出る新しい金麦について、サントリーは、味の骨格はそのままに、麦のうまみと飲みごたえを強め、後味を澄ませたと説明している。アルコール分は5%から5.5%になる。缶の真ん中には、ロゴと一緒に「生ビール」と入る。

CLEAR ASAHI

クリアアサヒ——雑味を取ることに、手をかけてきた

クリアアサヒの缶。黄色と白のツートーンに「Clear Asahi」「クリア アサヒ」の文字と泡の絵
クリアアサヒ(ビールへの変更前のパッケージ)

クリアアサヒが出たのは2008年。売りは、麦のうまみと、雑味の残らない澄んだ後味だ。

10月27日には、名前が「クリア アサヒ〈生〉」に変わり、ビールになる。アサヒの説明では、麦芽の比率を上げたうえで、造っている間に味を落とす成分ができるのを抑える製法を使い、雑味のないクリアな味に仕上げた。目指すのは、飲食店で飲む注ぎたての生ビールのような味だという。アルコール分は5%のまま変わらない。

缶の色柄はそのままで、中央に「生ビール」と入る。

HONKIRIN

本麒麟——ビールにすることは、2018年の発売時から構想にあった

本麒麟の缶。赤い地に金の縁取りの「本麒麟」の文字と麒麟のエンブレム
本麒麟(ビールへの変更前の缶。品目表示は旧表記)

本麒麟が出たのは2018年。キリンは、いずれビール類の酒税が一本化されることを見据えて、この商品を出している。ビールへ製法を変えることも、発売当初からの構想だった。

いまの本麒麟は、発泡酒に大麦スピリッツを加えて造られている。アルコール分は6%。

11月4日に出る新しい本麒麟は、「麦100%生ビール」になる。アルコール分は6%から5%になる。キリンが目指すのは、麦のうまみがあり、飲みごたえと飲み飽きなさを両立する味だ。

変えないのは、長期低温熟成だ。キリンが自社のビールでとる低温熟成の期間を1.2倍にする造りで、雑味を取って味を整える。

TANREI

キリン淡麗極上〈生〉——発売までに、266回の試験醸造

淡麗極上〈生〉の缶。白い地に黒い「淡麗」の文字と「ORIGINAL BREW」「極上〈生〉」の文字
淡麗極上〈生〉

淡麗極上〈生〉の前身は、1998年に出た「麒麟 淡麗〈生〉」だ。麦芽の割合を下げれば酒税法上はビールではなく発泡酒になり、当時は税率も低かった。キリンは開発にあたり、266回の試験醸造を重ねた。デビューから7か月あまりで10億本(350ml缶換算)が売れた。

いまの淡麗極上〈生〉は発泡酒で、アルコール分は5.5%。飲みごたえがありながら、後味は爽快でキレがある。飲みごたえは大麦を足して出し、キレは酸味と雑味を減らして整えてきた。

この秋にビールになるのは、ほかの3本だ。淡麗については、品目を変えるという発表は出ていない。

次回

第4回では、店で飲む生ビール。同じ銘柄でも、注ぐ設備と手順で味が変わる。