この連載の目次(全8回・完結)
- 01スーパードライとIPAは、何が違う? ビールの話で迷子にならないための5つの言葉無料
- 02定番ビールは、同じ金色でも見る場所が違う無料会員
- 03「注ぎ」の世界読み放題
- 04クラフトブルワリー名鑑読み放題
- 05ビアバーの歩き方読み放題
- 06コンビニの棚の教養読み放題
- 07世界のビール紀行いまここ
- 08最終回——ビールの話に入る読み放題
第2回で、IPAや白や黒——クラフトの棚は読めるようになった。ところが、まだ固まる棚がもう一つ残っている。輸入ビールの棚だ。ベルギー、ドイツ、アメリカ……KALDIや、輸入食品を置く酒屋の一角。国の名前は書いてあるのに、どれを選べばいいのか分からず、結局いつものヒューガルデンに手が伸びる——覚えのある人は、多いはずだ。
先に、答えを言ってしまう。輸入ビールの棚は、銘柄で読むと迷子になる。国で読むと、迷わなくなる。 ビールの国には、それぞれ「設計思想」がある——その国がビールに何を求め、何を禁じ、何に賭けてきたか。国名は、味の方向の予告なのだ。
いちばん分かりやすいのがドイツだ。ドイツには「ビール純粋令」という法律がある。1516年、バイエルンの君主ヴィルヘルム4世が「ビールは水と大麦とホップだけで造れ」と定めた——酵母の存在が知られてからは、これに酵母が加わる。食品に関する法律としては世界最古とされ、その考え方は今のドイツビールにも生きている。500年前に、国がビールの設計思想を法律に刻んだ。 それがドイツという国だ。だから棚で「ドイツ」の一本を取れば、味の方向はもう読めている——混じりけのない、麦とホップの直球である。
これが、今日の芯だ。輸入ビールの棚は、まず「どの国か」を見る。 銘柄の暗号を一つずつ解く必要はない。国が分かれば、味の性格が分かる。では、棚でよく出会う三つの国——ドイツ、ベルギー、アメリカ——は、それぞれ何に賭けた国なのか。ここから、一国ずつ渡していく。
ここまでで、輸入ビールは銘柄でなく『国』で読むこと、そしてドイツが純粋令の国だと分かりました。続きでは、ベルギーとアメリカがそれぞれ何に賭けた国か、棚で会える代表の一本、そして迷わず選ぶための一言までを渡します。
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ドイツ——法律で純粋を守る国 / ベルギー——縛りを設けず、酵母に委ねる国 / アメリカ——伝統を壊して、足していく国 / 会話での使い方
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