この連載の目次(全8回・完結)
- 015つの街で知る、海外旅行の一日
- 02海外旅行の行き先図鑑——10の土地を、地図から見る
- 03東京から何時間かかるか——ソウル2時間半、パリ14時間前後
- 04ウィーン、プラハ、ブダペスト、バルセロナ、リスボン——五つの光景
- 05ポイントと会員資格は別物で、マイルの必要数はANAとJALで決まり方が違ういまここ
- 06シンガポールの屋台は、ユネスコの無形文化遺産に登録されている
- 07旅先の物価は、為替と現地の値段の掛け算で決まる
- 08最終回——台北の一日を、迪化街から寧夏路夜市まで歩く
ホテルと航空会社の会員制度は、ひとまとめに「マイルとポイント」と呼ばれることが多い。この記事で扱う大手ホテルチェーンとANA・JALの一般会員制度は、無料で始められる。ただし、名前が似ているせいで混ざりやすいところがある。
ホテルのポイントと、会員資格
ホテルチェーンの会員制度には、性質の違う二つのものがある。
ひとつはポイント。支払った金額に応じて貯まる残高で、宿泊代と交換できる。使えば減る。
もうひとつが会員資格(エリート資格)だ。こちらは一定期間に何泊したかで決まる段階で、シルバー、ゴールド、プラチナ……と上がっていく。ポイントとは別に数えられ、使っても減らない。かわりに、期間が過ぎれば泊まり直して条件を満たす必要がある。
つまり、ポイント残高を貯めること自体では、会員資格は上がらない。資格が上がっても、それでポイント残高が増えるわけでもない。同じ会員番号に、二つの数字が並行して記録されている。
資格が上がると、レイトチェックアウトや客室のアップグレードといった扱いが付く。ただしこれらには条件がある。Marriott の公式ヘルプは、レイトチェックアウトについて、リゾートやコンベンションホテルでは空室状況次第であること、対象外の施設があることを明記している。アップグレードも空室があるときに限られる。上位資格が保証しているのは、条件を満たしたときに優先される立場までである。
必要泊数も特典の中身も、プログラム側の判断で改定される。いま何泊で何が付くかは、公式サイトで確かめる類の情報になる。
航空連合に入っていても、運賃で扱いが変わる
航空会社側には、航空連合という枠組みがある。
日本の大手2社は別々の連合に属する。ANAはスターアライアンス、JALはワンワールド。もう一つスカイチームがあり、デルタ航空や大韓航空が加盟している。
連合に入っていると、加盟社どうしでマイルを積算したり、特典に使ったりできる。ANAのマイレージ口座を持っていれば、ルフトハンザやユナイテッド航空の便でも積算の対象になりうる。JALならブリティッシュ・エアウェイズやカタール航空が対象になりうる。
ここで混ざりやすいのが、「加盟社の便ならどれでも同じように貯まる」という理解だ。実際には、運賃の種類によって積算率が変わる。安い運賃ほど積算率が下がる設定は各社にあり、まったく積算されない運賃もある。特典航空券として予約できる座席も、便ごとに枠が決まっている。
同じ路線の同じ便でも、買った運賃が違えば貯まる量が違う。連合に加盟しているかどうかは、その前提の話である。
ANAとJALで、必要マイル数の決まり方が違う
貯めたマイルは、特典航空券と交換できる。現金ではなくマイルで取る航空券のことだ。
この必要マイル数の決め方が、2社で違う。
ANAは、公式のチャートに数字が載っている。出発地と目的地のゾーン、搭乗クラス(エコノミー/プレミアムエコノミー/ビジネス/ファースト)、そしてシーズンの三つで決まる。シーズンはL(ロー)、R(レギュラー)、H(ハイ)の3区分だ。条件が決まれば、必要数も決まる。
JALの国際線には、特典航空券PLUSという仕組みがある。公式の説明によれば、必要マイル数は日程や予約時点の空席状況に応じて変動する。最も少ない「基本マイル数」で予約できる席が空いていない場合、予測残席に応じた追加マイルを払えば予約できる。同じ路線・同じクラスでも、いつ検索したかで数字が変わる。
だから「パリ往復に何マイル必要か」という問いは、ANAならチャートを引けば答えが出るが、JALでは日付と検索した時点によって変わる。
なお、貯めたマイルには期限がある。ANA・JALとも、積算した月から36か月後の月末までだ。
次回
宿と航空券が決まったら、あとは現地で何を食べるかが残る。第6回では、シンガポールの屋台とミシュランの星を見ていく。