大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

DRINK連載「ビールの教養」第5回

缶の「限定」「プレミアム」「発泡酒」は、何を意味する?——桜缶のスーパードライ、金色のヱビス、「発泡酒」の水曜日のネコ

桜缶のスーパードライは、中身まで限定なのか。ヱビスの「プレミアム」と、水曜日のネコの「発泡酒」は何を表すのか。缶でよく見る3つの言葉を、それぞれの商品から説明する。

公開 2026.07.20最終確認 2026.08.29
この連載の目次(全6・完結
  1. 01スーパードライ、一番搾り、黒ラベル、ヱビス——定番4本は何が違う?
  2. 02クラフトビールって何?——よなよな、銀河高原、SPRING VALLEY BREWERYの3本で知る
  3. 03同じ生ビールでも、店で味が変わる
  4. 04日本のクラフトビールはどう広がった?——エチゴ、よなよな、COEDO、常陸野ネスト
  5. 05缶の「限定」「プレミアム」「発泡酒」は、何を意味する?いまここ
  6. 06世界の定番ビールは何が違う?——ラガー、スタウト、白ビールを飲み比べる

桜柄のスーパードライ、金色のヱビス、「発泡酒」と書かれた水曜日のネコ。3本は同じ売り場に並ぶが、缶の言葉が指しているものはそれぞれ違う。

コンビニの冷蔵ケースのビール棚。スーパードライやアサヒ生ビールの缶が値札とともに並ぶ
コンビニのビール棚(大阪・2023年10月撮影。価格・品ぞろえは撮影時点のもの)。同じメーカーの中でも複数の商品が並ぶPhoto: Mr.ちゅらさん / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ
LIMITED

「限定」は、中身の限定とは限らない

スーパーの特設売り場。桜デザインのスーパードライの箱が積まれ、春限定のPOPが立つ
スーパーに積まれた桜デザインのスーパードライ(2016年3月撮影)。「春限定」のPOPが立つが、缶の中身は定番のスーパードライ——パッケージだけの季節限定という実例Photo: Nori Norisa / Wikimedia Commons / CC BY 2.0リサイズ

写真の桜缶は、絵柄だけを変えた季節限定で、中身は通常のスーパードライである。一方、中身を変えて造る「限定醸造」もある。缶に「限定」と書かれているだけでは、絵柄だけなのか、中身も違うのかは分からない。

PREMIUM

「プレミアム」は、等級ではない

コンビニの酒類冷蔵ケース。ヱビスの金色の缶が並び、上段に日本酒、下段にワインが見える
コンビニの冷蔵ケース(2009年撮影・品ぞろえは撮影時点のもの)。中段にヱビスの金色の缶がまとまって並ぶPhoto: Kojach / Wikimedia Commons / CC BY 2.0リサイズ

同じ棚の中に、値段の段差もある。写真の冷蔵ケースでは、金色のヱビスの缶が一角にまとまっている。こうした缶に書かれる「プレミアム」は、何を意味しているのか。

「プレミアム」は、ビールの法律上の品目名や等級ではない。

値段が高い、麦芽を多く使う、香りに特徴がある——何をもってプレミアムとするかは、商品ごとに違う。ヱビスなら、原材料が麦芽とホップだけで副原料を使わないこと、熟成期間が同社の通常のビールの約1.5倍であること。

BEER OR HAPPOSHU

「ビール」と「発泡酒」は、味の優劣ではない

スーパーの棚に並ぶ発泡酒の缶。淡麗やグリーンラベルなどが値札とともに並ぶ
スーパーの発泡酒の棚(2017年10月撮影。価格は撮影時点のもの)。缶のデザインはビールとよく似ているが、品目の欄には「発泡酒」と書かれているPhoto: Nesnad / Wikimedia Commons / CC BY 4.0リサイズ

「ビール」と「発泡酒」は、麦芽の割合や使う副原料によって分かれる酒税法上の品目で、味の優劣を示す言葉ではない。水曜日のネコは、コリアンダーシードとオレンジピールを使ったクラフトビールだが、缶の品目は「発泡酒」である。地元のオレンジを使う湘南ゴールドも同じ表示になる。「発泡酒」の文字だけでは、味の濃さや値段は分からない。

「クラフトビール」という言葉も、この欄には出てこない。法令上の品目ではないので、クラフトビールの缶にも、品目として「ビール」や「発泡酒」と表示される。

次回

最終回は輸入ビールの棚へ。最終回では、ハイネケン、コロナ、バドワイザー、ギネス、ヒューガルデン、ピルスナーウルケル——世界の定番6本が、日本の定番と何が違うのかを飲み比べる。