この連載の目次(全6回・完結)
桜柄のスーパードライ、金色のヱビス、「発泡酒」と書かれた水曜日のネコ。3本は同じ売り場に並ぶが、缶の言葉が指しているものはそれぞれ違う。

「限定」は、中身の限定とは限らない

写真の桜缶は、絵柄だけを変えた季節限定で、中身は通常のスーパードライである。一方、中身を変えて造る「限定醸造」もある。缶に「限定」と書かれているだけでは、絵柄だけなのか、中身も違うのかは分からない。
「プレミアム」は、等級ではない

同じ棚の中に、値段の段差もある。写真の冷蔵ケースでは、金色のヱビスの缶が一角にまとまっている。こうした缶に書かれる「プレミアム」は、何を意味しているのか。
「プレミアム」は、ビールの法律上の品目名や等級ではない。
値段が高い、麦芽を多く使う、香りに特徴がある——何をもってプレミアムとするかは、商品ごとに違う。ヱビスなら、原材料が麦芽とホップだけで副原料を使わないこと、熟成期間が同社の通常のビールの約1.5倍であること。
「ビール」と「発泡酒」は、味の優劣ではない

「ビール」と「発泡酒」は、麦芽の割合や使う副原料によって分かれる酒税法上の品目で、味の優劣を示す言葉ではない。水曜日のネコは、コリアンダーシードとオレンジピールを使ったクラフトビールだが、缶の品目は「発泡酒」である。地元のオレンジを使う湘南ゴールドも同じ表示になる。「発泡酒」の文字だけでは、味の濃さや値段は分からない。
「クラフトビール」という言葉も、この欄には出てこない。法令上の品目ではないので、クラフトビールの缶にも、品目として「ビール」や「発泡酒」と表示される。
次回
最終回は輸入ビールの棚へ。最終回では、ハイネケン、コロナ、バドワイザー、ギネス、ヒューガルデン、ピルスナーウルケル——世界の定番6本が、日本の定番と何が違うのかを飲み比べる。