大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

CAR連載「クルマの教養」第1回

プリウス、ジムニー、ロードスター、ランドクルーザー、Gクラス——5台は何が違う?——何に力を入れた車で、どんな姿か

燃費と低い姿のプリウス、軽の枠で作った本格四駆のジムニー、軽さの二人乗りロードスター、壊れずに帰ってくるランドクルーザー、形を変えないGクラス。性格の違う5台を一台ずつ。

公開 2026.09.04最終確認 2026.09.07
この連載の目次(全7・完結
  1. 01プリウス、ジムニー、ロードスター、ランドクルーザー、Gクラス——5台は何が違う?いまここ
  2. 02トヨタ、レクサス、ホンダ、日産、マツダ、スバル、スズキ、三菱——日本メーカーは何が違う?
  3. 03メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、ボルボ、フェラーリ——海外メーカーは何が違う?
  4. 04同じSUVでも、ランドクルーザー、CX-5、フォレスター、Gクラス、RXは別の車
  5. 05クラウン、プリウス、GT-R、ロードスター、ジムニー、レクサスLS——名前自体にイメージがある日本車
  6. 06N-BOX、アルファード、クラウン、ジムニー、ロードスター——形が違えば、力を入れる場所も変わる
  7. 07プリウス、リーフ、テスラ——ハイブリッドとEVでクルマはどう変わった?

プリウス、ジムニー、ロードスター、ランドクルーザー、Gクラス。性格の違う5台を、何に力を入れた車で、どんな姿をしているかで、一台ずつ見ていく。

PRIUS

プリウス——燃費のよさと、低い三角形の姿

プリウスは、燃費のよさで世界に知られたトヨタのハイブリッド車である。エンジンとモーターの両方でタイヤを回す仕組みを載せた、世界で初めて量産された乗用車として、トヨタが1997年に売り出した。走り出しや低い速度ではモーターが受け持ち、燃料を使う量を減らす。2003年の2代目からは、前の窓から屋根、後ろの窓までが一本の弧でつながる、横から見ると三角形に近い形になった。空気の抵抗を減らすための形で、この輪郭がプリウスの印になった。

展示された現行型トヨタ・プリウスを斜め前から。低いルーフラインの濃いグレーのハッチバック
プリウス(5代目・2023年〜)。写真は上級のZ。国内で撮影Photo: TTTNIS / Wikimedia Commons / CC0 1.0リサイズ

いまの5代目は2023年に出た。三角形の輪郭を残したまま車体を低く、タイヤを大きくして、走りの車のような姿にしてある。前面は薄く横に広いランプを一本の線のように置いた低い顔で、後ろも細い一文字のランプになった。トヨタはこの型を、燃費のよさだけでなく、一目で欲しくなる姿と運転して楽しい走りを持つ車として作り直したと説明している。運転席も低く構えている。外から充電して、電気だけでも走れる型もある。

JIMNY

ジムニー——軽自動車の枠で作った、本格的な四輪駆動車

ジムニーは、スズキが1970年から作り続けている、軽自動車の枠に収まる四輪駆動車である。雪道や山道のような悪路を走るために作られていて、乗用車と同じ一体の車体ではなく、はしご型の頑丈な骨組みの上に車体を載せる作りを、軽の寸法のまま守っている。四輪駆動は、ふつうは後ろのタイヤだけを回し、必要なときに前も回す切り替え式で、構造が単純で信頼性が高いとスズキは説明する。

見た目は道具そのもので、四角い箱に丸いライトが二つ付き、その間に縦五本の細い穴が並ぶ。窓ガラスが垂直に立っているのは横に雪が溜まりにくいように、タイヤを囲む切り欠きが台形なのは整備がしやすいように、バンパーの角が切れ上がっているのは段差に当てにくいように、と角の一つひとつにスズキは理由を付けている。角ばった車体で運転席から車の四隅を把握しやすいことも、同じ説明にある。丸いライトと五本の穴は、歴代から受け継いだ顔である。

スズキ・ジムニー(JB64型)を斜め前から。銀色の角張った軽四駆
ジムニー(4代目・2018年〜)。写真は軽自動車の型。幅を広げた登録車のジムニーシエラも並んで売られているPhoto: TTTNIS / Wikimedia Commons / CC0 1.0リサイズ

3代目でいったん角を丸めたが、2018年の4代目で角ばった形に戻った。軽より幅の広い普通車のシエラは、張り出したフェンダーを持つ。2025年には、シエラをもとに後ろを伸ばした5ドアのノマドが加わり、後ろの席と荷室が広くなった。軽の型は後ろの席を倒すと荷室が平らになる。

ROADSTER

ロードスター——軽さと操作感を優先した二人乗り

ロードスターは、マツダが1989年に出した小さく低い二人乗りのオープンカーである。得意なのは軽さと、思いどおりに動く操作感で、初代から「人馬一体」という言葉を掲げてきた。車が身体の一部のように動くことを指し、速さの数字より、曲がるときの手応えと軽さを大事にする。エンジンは前に積み、後ろのタイヤを回す。

見た目も、軽さと操作感を優先した作りのままで、小さな車体、二つの席、布の幌。幌の型は、座ったまま手で開け閉めできる。2015年からの4代目は「たった1gでも軽く」を合言葉に作られ、車体を先代より小さくした。屋根の前半分と後ろの窓が電動で収まり、後ろの屋根は残るRFという型もある。海外名はMX-5。

マツダ・ロードスター(ND型)を斜め前から。幌を開けた黒い小さなオープンカー
ロードスター(4代目・2015年〜)。幌を開けた状態。オーストラリアで撮影Photo: EurovisionNim / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ・ナンバープレート部ぼかし
LAND CRUISER

ランドクルーザー——壊れずに帰ってくる四輪駆動車

ランドクルーザーは、トヨタが1951年から作る大型の四輪駆動車で、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」ことを使命にしている。もとは警察予備隊向けの車として計画されたことから始まり、各国で業務用の車として使われてきた。乗用車と同じ一体の車体ではなく、はしご型の頑丈な骨組みの上に車体を載せ、砂漠や未舗装路で壊れないことと、直せることを優先する。

いまは同じ名前で四つの型に分かれている。1984年からの形を続ける働く車の70、2024年に出た中核の250、大型で上級の300、2026年に加わった小さなFJで、どれも同じ骨組みの考え方を持つ。四つの型の役割の違いは第4回で詳しく扱う。

展示されたトヨタ・ランドクルーザー250を斜め前から。丸型ヘッドライトのベージュの大型SUV
ランドクルーザー250(2024年〜)。写真は丸いヘッドランプの型で、角形のランプの型と並んで売られたPhoto: TTTNIS / Wikimedia Commons / CC0 1.0リサイズ

見た目は、水平で角ばった大きな箱で、地面から車体までの高さがあり、大きなタイヤが四隅にある。写真の250は、ボンネットが低く平らで、前の柱が立ち、ヘッドライトが高い位置にある。ライトの位置は、瓦礫や草に隠れないためだとトヨタは説明する。

G-CLASS

Gクラス——形を変えない、悪路のための高級車

メルセデス・ベンツのGクラスは、軍用の契約のために作った車を、1979年に乗用車としても売り始めたものである。四角い輪郭は、いまも初代のままである。はしご型の頑丈な骨組みを使う本格的な悪路向けの作りで、メルセデスはこれを最高級の悪路用の車(クロスカントリー車)と呼び、悪路での走破性と、高級車としての舗装路の快適さと安全を一台で満たすことを目指してきた。

見た目の印は、四角い輪郭、外に出たドアの蝶番、丸いヘッドライト、フェンダーの上の大きなウインカー、後ろに背負ったスペアタイヤ。2018年に世代が替わって中身は作り直されたが、メルセデスはこれらを変えないものとして先に並べ、ドアハンドルと、閉めたときの音まで含めた。2024年には、電気だけで走る型も加わった。

メルセデス・ベンツGクラスを斜め前から。角張った黒い四駆
Gクラス(2018年〜の現行世代)。現行型は長い車体の5ドアだけで、かつてあった短い3ドアはないPhoto: Alexander Migl / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0リサイズ・ナンバープレート部ぼかし

次回

第2回では、トヨタ、レクサス、ホンダ、日産、マツダ、スバル、スズキ、三菱の8社を、何が得意で、どんな車を作り、どんな見た目かで一社ずつ見る。