この連載の目次(全8回・完結)
- 01時計の話で迷子にならないために、まず5つの名前だけ無料
- 02時計は、値段より「どう使いたいか」で選ぶ無料会員
- 03機械式とクォーツは、優劣ではなく仕組みが違う読み放題
- 04ダイバーズ、クロノグラフ、GMTは、用途から形が生まれた読み放題
- 05定番モデルは、形の由来が分かると見分けられるいまここ
- 06時計は、ケース径だけでなく腕に載せて決める読み放題
- 07高い時計の値段は、機構・仕上げ・素材・流通に分けて考える読み放題
- 08時計の話は、値段より「なぜそれを選んだか」読み放題
定番モデルを知ろうとすると、人気ランキングや価格表へ行きやすい。だが、名前だけを増やすと、実物を見ても違いが残らない。長く参照される時計には、密閉したい、袖へ収めたい、経過時間を測りたい、落下から守りたいといった問題がある。定番を見るときは、どの問題を解き、その結果どんな形が残ったかを追う。
定番は、買うべき順ではなく、形を見るための具体例
この回では、現行価格、希少性、投資価値を扱わない。歴史的な写真と公式資料から、代表的な形が何を解こうとしたかを見る。
同じ名前が続くシリーズでも、年代、素材、寸法、ムーブメントは変わる。歴史資料の時計と、現在販売されている時計を同一の仕様として扱わない。
覚えるのは型番ではない。
- 外装を密閉する
- ケースとベルトを一つの線にする
- 経過時間を手元で測る
- 時間の基準を変える
- 衝撃から中身を守る
- 光と影で面を見せる
この六つが、定番を見分ける入口になる。
オイスター——水と埃から中を守る外装
ロレックスは1926年のオイスターを、防水・防塵腕時計の重要な節目として位置づけている。ケース、裏蓋、リューズを含む外装を密閉し、精密な機構を日常の環境から守ることへ取り組んだ。
ここで見るのは王冠のロゴではない。ケース、裏蓋、リューズを含む外装を密閉する発想が、水や埃から中を守る道具としてのまとまりを作った。

ロレックス オイスター
Photo: Wikimedia Commons — Rolex Oyster.jpg / CC BY 3.0 DE(博物館資料を原比率で表示。現行モデルの仕様を示す写真ではない。WebP変換のみ、トリミングなし。)
初期の一例を見て、現在のすべてのオイスター系時計を同じ仕様だと考えない。歴史的な課題と、今の製品仕様を分ける。
ここまでで、ロレックスのオイスターが、名前の格ではなく水や埃から中を守る問題と結びついていると分かりました。続きでは、タンク、スピードマスター、アストロン、G-SHOCK、44GSを、形が残った理由から見ます。
読み放題プラン限定
タンク——長方形のケースを、ベルトへつなぐ / スピードマスター——計時の情報を、文字盤へ載せる / クオーツ アストロン——時間の基準を、腕時計の中で変えた / G-SHOCK DW-5000C——落下からモジュールを守る / 44GS——光と影で、面と稜線を見せる / 六つの定番を、解いた問題で並べる / 定番の知識を、型番当てに使わない / 歴史の長さを、値段や人の順位へ変えない
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