この連載の目次(全8回・完結)
欧州サッカーの試合は、現地の午後や夜に置かれている。その時間帯が、日本ではそのまま深夜や早朝にあたる。深夜の中継が多い理由は、突きつめれば時差の話に尽きる。
9時間と8時間——同じヨーロッパでも差が違う
日本の標準時は協定世界時より9時間進んでいる。この値は動かない。日本には夏時間がないからだ。
イギリスの標準時は協定世界時と同じなので、冬のあいだ日本との差は9時間になる。
スペイン、イタリア、ドイツ、フランスは中央ヨーロッパ時間で、協定世界時より1時間進んでいる。だから日本との差は8時間だ。同じヨーロッパでも、イギリスと大陸で1時間ずれている。
シーズンの途中で、時差が1時間動く
ここに夏時間が加わる。
イギリスでは、3月の最終日曜に時計を1時間進め、10月の最終日曜に戻す。この期間がブリティッシュ・サマータイムで、そのあいだ日本との差は9時間から8時間へ縮む。
EU域内も同じ日に切り替える。指令で切り替え日が揃えられているためで、中央ヨーロッパ時間の国々では夏のあいだ日本との差が8時間から7時間になる。
欧州のサッカーシーズンはおおむね8月から翌年5月までなので、この切り替えがシーズンの途中に2回入る。10月末に一度、3月末にもう一度。日本側の時計は動かないので、現地で同じ時刻に始まる試合が、日本では1時間ずれることになる。
秋にいつも通り観ていた枠が、11月に入ると1時間遅くなる。春には逆のことが起きる。
現地時刻から日本時間を出す
計算そのものは足し算だ。
イングランドの試合なら、現地時刻に9時間を足す(夏時間の期間は8時間)。スペイン、イタリア、ドイツ、フランスなら8時間を足す(夏時間の期間は7時間)。
たとえば、冬にイングランドで現地15時に始まる試合は、日本時間で翌0時。夏時間の期間なら23時になる。中央ヨーロッパ時間の国で現地21時に始まる試合は、冬なら日本時間の翌朝5時、夏なら翌朝4時だ。
日付にも注意が要る。現地の午後は日本ではすでに翌日に入っていることが多い。「土曜の試合」が日本のカレンダーでは日曜の未明になる。
なお、どのリーグが現地の何時に試合を置くかは、各リーグが年ごとに決めている。テレビ中継の契約に合わせて枠が増減することもある。観たい試合の時刻は、その季節のリーグ公式サイトで確認するのが確実だ。
放映権は数年ごとに動く
どのリーグがどのサービスで観られるかは、放映権の契約で決まる。
契約は数年単位で結ばれ、期間が切れると入札を経て別の事業者へ移ることがある。地域ごとに権利が分かれて売られるため、日本で観られる場所は日本向けの契約で決まる。
だから、いま観られる場所は「そのシーズンの契約次第」で変わる。一方、公式のハイライト映像はリーグやクラブの公式チャンネルで公開されることが多く、こちらは契約の移動の影響を受けにくい。
次回
クラブの試合が毎週あるのに対して、代表の試合は間隔が空く。第7回では、ワールドカップとワールドカップのあいだに何があるのかを見ていく。