獺祭は、山口県岩国市の株式会社 獺祭が造る日本酒のブランドだ。定番の日本酒は純米大吟醸に絞られ、商品名につく45、39、23は値段や点数ではなく、精米したあとに残った米の割合を表す。味は辛さで押すより、華やかな香り、なめらかな甘み、雑味を抑えた透明感を見ると分かりやすい。

Photo: Breizhiz75 / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
30秒で分かる味
獺祭は甘口か、辛口か。その一語だけで決めるより、香りと甘みがあり、口当たりはきれいと覚える方が近い。商品によって濃さと余韻は変わるが、定番3本の入口は共通している。
華やか
香り
穏やかな食中酒より、最初に香りを感じやすい
感じやすい
甘み
辛さで切るより、米由来の繊細な甘みを見る
なめらか
口当たり
重さや荒さより、雑味を抑えた透明感が前に出る
切れと余韻
後味
飲み込んだあとはきれいに切れ、香りの余韻は残る
10〜12℃
温度
よく冷やし、小ぶりのワイングラスなら香りを拾いやすい
銘柄の中の地図——45、39、23は何が違う
3本とも純米大吟醸で、数字は精米歩合だ。45なら米を45%残し、23なら23%まで磨く。数字が小さいほど価格は上がるが、45が低品質という意味ではない。 45は獺祭らしさを最も手頃に確認する入口である。
| 位置 | 商品 | 味の見どころ | 720ml・税込 |
|---|---|---|---|
| 入口 | 獺祭 純米大吟醸45 | 米の繊細な甘みと華やかな香り。まず獺祭の方向を知る一本 | 2,475円 |
| 中核 | 獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分 | 蜂蜜を思わせるなめらかな甘みと、長い余韻 | 3,080円 |
| 上位 | 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 | 華やかな香り、きれいな甘み、切れながら続く余韻 | 6,380円 |
価格は2026年7月27日に蔵元公式サイトで確認した希望小売価格。写真に写っているのは上位の「磨き二割三分」だが、最初に飲むなら45からでよい。
どんな店で飲むと分かりやすいか
最初の一杯なら、獺祭45を商品名まで書いている居酒屋、寿司店、和食店で十分だ。高級店である必要はない。冷蔵した瓶からグラスで出し、注文の回転がある店なら、香りと透明感をつかみやすい。
45、三割九分、二割三分を並べて飲みたいなら、日本酒専門店や酒販店併設の角打ちが向く。3本を同じ温度、同じ大きさのグラスで少量ずつ比べると、数字が小さくなるほど単純に「甘くなる」のではなく、口当たりと余韻が整っていく違いが見える。
蔵元は通常の獺祭を冷蔵保存し、開栓後は1週間以内、飲用温度は10〜12℃を勧めている。長く開けたままの瓶より、回転のよい店を選ぶ方が銘柄の狙いに近い。
日本酒好きの中で共有されている3つの前提
- 45、39、23は米を残した割合。 45%削った、39%削ったという意味ではない。
- 定番3本はすべて純米大吟醸。 45は別の種類の安酒ではなく、獺祭の入口として設計された一本である。
- 知名度と入手しやすさは、品質の低さを意味しない。 獺祭は一人の杜氏の勘だけに頼らず、社員で技術とデータを共有して安定供給している。蔵元自身も、二次流通の高値ではなく希望小売価格で買ってほしいと表明している。
なお、蔵元の社名は2025年6月1日に「旭酒造株式会社」から「株式会社 獺祭」へ変わった。古い記事や店の説明では旭酒造の名前が残っている。
最初の一本
初めてなら獺祭 純米大吟醸45を選ぶ。獺祭らしい香り、甘み、透明感を一度に確かめられ、720mlで2,475円と3本の中では最も手を伸ばしやすい。
店では45をグラスで一杯、家なら300mlか720mlでよい。10〜12℃に冷やし、小ぶりのワイングラスへ少量注ぐ。最初の一口で香り、次に甘み、飲み込んだあとに残る余韻を見る。そこまで分かれば、次に三割九分や二割三分を飲んだとき、価格差を自分の舌で判断できる。