赤や青の縁を持つ潜水用の型、ブラックベイで知られるブランドだ。
同じ設計思想を、手の届く値段で
ロレックスの創業者が立てたブランドである。狙いは公式の記録にはっきり残っていて、ロレックスと同じ丈夫さと信頼性を、より手頃な値段で届けることだった。
そのため、初期の型は外側の作りをロレックスと共有し、中身だけを既製の機械にしていた。外から見て何が違うのか分かりにくいという性質は、最初から意図されたものである。
海軍への納入も長く続いた。潜水用の型が実際の任務で使われてきた系譜があり、ここが後の「道具としての時計」という性格につながっている。

チューダー プリンス デイト+デイ
Photo: Wikimedia Commons — Tudor Prince Date Day Ref76200.jpg / CC BY-SA 3.0(いまの主力より前の世代。1990年代から2000年代のチューダーの姿。)
ロレックスの兄弟から、独立したスポーツ時計ブランドへ
かつてはロレックスの手頃な兄弟として見られていた。同じ外装を使い、値段を抑える兄弟ブランドという見え方が長く続いた。
2010年代、過去の潜水用の型を下敷きにしたブラックベイを主力に据え、赤や青の縁を持つ顔が定着する。
いまは独立したスポーツ時計ブランドとして見られている。ロレックスとのつながりは、出自の一つとして残っている。

売り場のウィンドウ
Photo: Wikimedia Commons — HK Pacific Place mall shop watch window display November 2022.jpg / CC BY-SA 4.0(現行世代が並ぶ売り場。写真の右下にカメラの日時が焼き込まれている。)
いまはどんな人が着けるブランドか
機械式のスポーツ時計や潜水時計が好きな時計好きが、20代後半から40代を中心に着けている。
潜水時計の歴史、海軍での使用、ロレックスの兄弟という出自。こうした来歴を含めて知られているブランドである。
服装はデニム、軍物、アウトドア寄りの服にも合わせられる。潜水用の型が主力なので厚みがあり、腕元には存在感が出る。

ヘリテージ レンジャー
Photo: Wikimedia Commons — Tudor Heritage Ranger watch.jpg / CC BY 2.0(2014年から2019年まで作られた型。現行のレンジャーとは別の意匠。)
代表的なモデル
ブラックベイ——いまの主力。黒い文字盤に、赤や青の縁と丸い目盛りを持つ潜水用の型。
ペラゴス——チタンを使った潜水用の型。装飾を削り、つや消しの外装と読みやすい文字盤で作られている。
レンジャー——装飾のない三針。数字が並ぶだけの文字盤で、探検用の時計を下敷きにしている。