月へ行った時計と、映画の主人公の時計。この二つで覚えられているブランドだ。
測ることの側から来た
19世紀の後半にスイスで始まり、早くから正確に測ることへ寄っていった会社である。競技の計測を長く引き受けてきたのも、その延長にある。
1960年代、アメリカの宇宙計画が飛行士の腕に着ける時計を選ぶ試験を行い、そこを通ったのがこのブランドのクロノグラフだった。月面へ持ち込まれたのはこの型である。
技術を証明する場所を、外に持っていたブランドだと考えると分かりやすい。競技場と、宇宙である。

オメガ スピードマスター
Photo: Wikimedia Commons — Omega speedmaster.jpg / CC BY 2.0(月面で使われた個体そのものではない。同じ系統の一例。)
現場の精密時計から、物語を持つ高級スポーツ時計へ
1950年代から60年代にかけて、このブランドは現場で使われる精密時計だった。潜る人のための時計、レースを計る時計、飛行士が持ち込んだ時計。
月面へ持ち込まれたことが転機になる。世界的に知られた宇宙計画に加わったことで、道具だった時計が物語を持つ時計になった。映画の主人公が着けたことで、もう一つの入口もできた。
いまは国際的な高級スポーツ時計として並んでいる。宇宙、海、スポーツ、映画。背景を持つ系統がそろっている。

オメガ シーマスター
Photo: Wikimedia Commons — Omega Seamaster ca. 1960.jpg / CC BY-SA 3.0(同じ名前の系統が、60年前はこの姿だった。着用者の顔は写っていない。)
いまはどんな人が着けるブランドか
20代後半から50代と、年代に幅がある。
仕事と休日の両方で使える一本を探す人に選ばれている。三針から、潜水用の型、クロノグラフまでそろっている。
宇宙、映画、海、スポーツ。月へ行った系統、競技を計ってきた系統、映画に出た系統があり、そうした背景に関心を持つ人に選ばれている。

オメガ シーマスター プラネットオーシャン
Photo: Wikimedia Commons — Omega Seamaster Planet Ocean.jpg / CC BY-SA 4.0(潜水用の系統の現行世代。着用者の顔は写っていない。)
代表的なモデル
スピードマスター——月へ行った系統。文字盤に小さな円が三つ並び、外周に細かい目盛りが走る。
シーマスター——潜水用の系統。映画の主人公が着けたことで知られる。回転する縁を持つ型と、縁の回らない三針の型がある。
アクアテラ——潜水用の系統から派生した、装飾を抑えた三針。文字盤に船の甲板のような横縞を入れた型が定番になっている。