傷や水を気にせず使える実用品として作られた時計だ。
落として壊れない腕時計を作る
1980年代のはじめ、カシオの開発者が「落としても壊れない腕時計」を作ろうとしたところから始まっている。
1983年に出た最初の一本は、樹脂の塊のようなケースにデジタル表示を埋め込んだ形をしている。ボタンは面から引っ込んでいて、ぶつけても押されない。厚みも、当時の腕時計としては異様だった。
落としても壊れないことを開発の目標にして作られた時計である。耐衝撃の時計として出たものが、その後、実際の仕事やスポーツ、ストリートの服装へ広がっていく。

G-SHOCK DW-5000C
Photo: Wikimedia Commons — DW-5000.jpg / CC BY-SA 4.0(最初の一本。四角い樹脂ケースと、面から引っ込んだボタンは、いまの5600系にも残っている。)
現場の道具から、街と日常へ
衝撃に強い実用品として始まった時計は、1990年代にアメリカのスケートやヒップホップの側から見つけられる。丈夫だという以上に、樹脂の四角い塊という見た目そのものが、ストリートの服装に取り入れられた。日本でも若い世代のあいだで広まった。
その後、金属のケースや落ち着いた色の型が増え、仕事や日常でも使える製品として見られるようになった。丈夫さはそのままに、見た目の幅が広がった。

G-SHOCK GA-100
Photo: Wikimedia Commons — Casio G-Shock GA-100.jpg / CC BY-SA 4.0(四角い樹脂の型と並んで、こうした大きなアナログの型も定番になっている。店頭で撮影されたもの。)
いまはどんな人が着けるブランドか
傷や水を細かく気にせず使える時計を求める人に、道具として選ばれている。年代は20代から40代を中心に幅広い。外仕事、アウトドア、スポーツ、子育て。腕をぶつけたり濡らしたりする場面が日常にある人に着けられている。
もう一つの入口は見た目にある。大きくスポーティーな形を、デニムやパーカーといった普段着へ取り入れる人。1990年代以降のストリート文化に親しんで大人になった世代には、四角い樹脂の型をいまも着けている人もいる。
樹脂の型、大きなアナログの型、金属で覆った型。どれを選ぶかで腕元の印象は変わるが、壊れにくさを前提に選ばれている点は共通している。
代表的なモデル
5600系——最初の一本の形をほぼそのまま引き継いだ四角い樹脂の型。このブランドの原型で、薄く軽い。
大型のアナログ——針と液晶窓を併せ持つ型。ケースが大きく、厚みがある。
金属外装の型——ケースやベルトを金属で覆った系統。丈夫さはそのままに、金属の外装と落ち着いた色で作られている。