大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

TRAVEL行き先図鑑タイ

タイ——首都と古都、東北部、二つの海を地図からつかむ

バンコク、アユタヤ、チェンマイ、スコータイ、ナコーンラーチャシーマー、プーケット、クラビ、サムイ島の位置と違いから、タイの全体像をつかむ入門ページ。

初めてでも動きやすい。食、寺院、街、海の選択肢も多い。

しかし、タイを「バンコクと南のビーチ」だけで覚えると、北部のラーンナー文化や古代王朝の遺跡、東北部の高原とクメール文化が抜け落ちる。中央には首都とアユタヤ、北にはチェンマイとスコータイ、東北にはイサーンへの入口、南にはアンダマン海とタイ湾がある。まず地図で、どのタイを見たいか分けよう。

IN 30 SECONDS

30秒で分かる、タイ

タイは、地域ごとに都市、王朝史、食、自然の性格が変わる国である。

  • 中央部:バンコクの王宮・市場・現代都市、アユタヤの王都遺跡
  • 北部:チェンマイのラーンナー文化、スコータイの古代都市
  • 東北部:イサーンの高原、米、メコン川、クメール文化
  • 南部:西のアンダマン海と、東のタイ湾に分かれる海の旅

初めてならバンコクを入口にする。その次は、王朝史ならアユタヤかスコータイ、北部文化ならチェンマイ、東北部ならナコーンラーチャシーマー、海ならアンダマン海側かタイ湾側を選ぶ。南部の海を一括りにしないことが、タイの地理を理解するポイントになる。

FIG. 01
まず見る、タイの全体地図

中央部のバンコクとアユタヤ、北部のチェンマイとスコータイ、東北部への入口となるナコーンラーチャシーマー、南部のプーケット・クラビ・サムイ島。南部では、プーケットとクラビは西のアンダマン海側、サムイ島は東のタイ湾側にある。同じ「タイの海」でも位置と移動の軸が違う。

夕暮れのチャオプラヤー川越しに見えるバンコクのワット・アルン
チャオプラヤー川の西岸に立つワット・アルン。Photo: SupawatR / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(トリミング・リサイズ)
BANGKOK

バンコク——王宮、寺院、市場、現代都市が重なる入口

バンコクはタイの首都で、王宮と寺院、チャオプラヤー川、市場、高層建築が同じ都市に重なる。寺院だけ、買い物だけで終えず、旧市街、川沿い、商業地区を分けて見ると街の広がりが分かる。

川沿いの王宮・寺院から中華街へ

王宮とワット・プラケオおうきゅうとワット・プラケオ

タイ王室と仏教文化の中心を知る入口。建築や装飾を見るだけでなく、現在も重要な儀礼空間であることを踏まえ、服装と参拝の作法に配慮する。

ワット・ポー

大きな涅槃仏で知られる寺院。王宮周辺の寺院を一括りにせず、境内の建物、仏塔、学問や伝統医療との関係まで見る。

ワット・アルン

チャオプラヤー川の西岸に立つ寺院。船で川を渡り、対岸から塔を見ることで、バンコクが川を軸に発展した都市だと分かる。

ヤワラート

中華街として知られる地区。看板、商店、食堂、寺院が密集し、王宮地区とは別のバンコクの商業文化を見る入口になる。

会話で使うなら

「ワット・ポーに行った」と返ってきたら、「大きな寝釈迦仏の寺ですね。川を渡ってワット・アルンまで行きました?」と受ける。寺院名が一つ出てくれば、川を挟んだ位置関係だけで会話は続く。

AYUTTHAYA

アユタヤ——三つの川に囲まれた王都遺跡

アユタヤはバンコクの北にある古都で、14世紀から18世紀までアユタヤ王朝の中心として栄えた。遺跡は一つの寺院にまとまらず、川に囲まれた旧都の中に分散している。塔や仏像だけでなく、都市全体の位置関係を見る。

樹木の根と煉瓦の仏塔跡が残るアユタヤのワット・マハタート
煉瓦の遺構と樹木が重なる、アユタヤのワット・マハタート。Photo: Gzzz / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(トリミング・リサイズ)

川に囲まれた王都の遺跡をつなぐ

アユタヤ歴史公園アユタヤれきしこうえん

寺院、宮殿跡、仏塔がまとまる旧都の中心区域。自転車や車で複数地点をつなぐと、王都の広さが分かる。

ワット・マハタート

木の根に包まれた仏頭で知られる寺院跡。写真の一点だけでなく、崩れた塔や回廊から王都の変遷を見る。

ワット・チャイワッタナーラーム

チャオプラヤー川沿いにある寺院跡。中央の塔と周囲の構成から、アユタヤ建築の大きなスケールを見る。

CHIANG MAI

チェンマイ——ラーンナー文化と山を見る北部の拠点

チェンマイはタイ北部の都市で、かつてのラーンナー王国の文化が寺院や工芸、食に残る。旧市街の平地だけでなく、西側の山へ視線を移すと、バンコクとは違う北部の地理が見える。

旧市街から山の寺、市場へ

チェンマイ旧市街チェンマイきゅうしがい

堀と城壁跡に囲まれた中心部。寺院を点で回るだけでなく、旧市街の四角い輪郭を地図と街歩きでつかむ。

ワット・プラタート・ドイステープ

市街地西側の山にある寺院。寺院と市街地の眺めを合わせ、チェンマイが山に接した都市であることを見る。

ワローロット市場ワローロットしじょう

北部の食材、乾物、衣料、日用品が並ぶ市場。観光向けナイトマーケットとは違う、日常の商いを見る入口になる。

SUKHOTHAI

スコータイ——寺院と水路がつくる古代都市

スコータイはタイ北部にある古都で、13〜15世紀に発展した王国の都市遺跡が残る。寺院だけでなく、城壁、堀、池、水路を含む都市計画として見ると、遺跡の位置関係が分かる。

城壁の中の寺院と大仏をたどる

スコータイ歴史公園スコータイれきしこうえん

旧市街の寺院、池、城壁が広い区域に残る。徒歩だけでなく自転車などで移動し、都市全体を一つの遺跡として見る。

ワット・マハタート

スコータイ旧市街の中心寺院。仏塔、仏像、池の配置から、王都の宗教的中心をつかむ。

ワット・シーチュム

壁に囲まれた大きな坐像で知られる寺院。建物の隙間から仏像が見える構成そのものを体験する。

NAKHON RATCHASIMA

ナコーンラーチャシーマー——東北部イサーンへの入口

ナコーンラーチャシーマーは、コラートとも呼ばれる東北部の都市・県である。バンコクから東北高原へ進む入口に位置し、自然を見るカオヤイ方面と、クメール文化の遺跡を見るピマーイ方面へ分かれる。

クメール遺跡と高原、二つの方向

ピマーイ歴史公園ピマーイれきしこうえん

クメール建築の大規模な寺院遺跡。タイの歴史をバンコク、アユタヤ、スコータイだけで完結させず、東北部とアンコール文化圏の関係を見る。

カオヤイ国立公園カオヤイこくりつこうえん

森林、草地、滝などを含む広い自然地域。都市や寺院中心の旅行から離れ、東北高原の入口で自然を見る選択肢になる。

最初の理解

クメール遺跡と高原の自然へ分かれる、東北部イサーンの入口。

PHUKET

プーケット——旧市街と港を持つ、アンダマン海の大きな島

プーケットはタイ南部、アンダマン海側にある大きな島である。複数の海岸、旧市街、丘陵地があり、「一つのビーチリゾート」ではない。泊まった海岸と旧市街の位置を分けて見る。

旧市街・ビーチ・岬で島を一周

プーケット旧市街プーケットきゅうしがい

中国系移民や国際交易の影響を受けた街区。ショップハウスの外観と通りを歩き、島の歴史を海以外から見る。

カタビーチ

島西岸にある代表的な海岸の一つ。プーケットでは海岸ごとに滞在の雰囲気が変わるため、島名だけでなく泊まったビーチ名を聞くと会話が具体的になる。

プロムテープ岬プロムテープみさき

島南部の岬。海岸線と島の輪郭を高い場所から見て、プーケットの地理をつかむ。

会話で使うなら

「プーケットに行った」と返ってきたら、「海岸ごとに雰囲気が違う島ですよね。どのビーチの近くに泊まりました?」と受ける。ビーチ名が返ってきたら、旧市街まで歩いたかへ広げられる。

KRABI

クラビ——石灰岩の崖と島々を見るアンダマン海の拠点

クラビはタイ南部のアンダマン海側にあり、海から立ち上がる石灰岩の崖、島、洞窟状の海岸景観で知られる。プーケットが大きな島の滞在なら、クラビは本土側を拠点に船で海岸や島へ進む旅として理解しやすい。

石灰岩の崖に囲まれたクラビのライレイビーチ
石灰岩の崖が海へ迫る、クラビのライレイビーチ。Photo: Karelj / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(トリミング・リサイズ)

本土の浜から、船でしか行けない岸へ

アオナン

宿泊施設や店が集まり、周辺の島や海岸へ船で進む拠点になる地区。

ライレイビーチ

石灰岩の崖に囲まれ、船で向かう海岸。砂浜だけでなく、崖と海の距離の近さがクラビらしい。

ピピ諸島ピピしょとう

クラビ県側に位置する島々。日帰りか滞在かで見える範囲が変わるため、「行ったか」だけでなく、どのように回ったかが会話になる。

KO SAMUI

サムイ島サムイとう——タイ湾側で過ごす島の旅

サムイ島はタイ南部のタイ湾側にある島である。プーケットやクラビとは半島を挟んで反対側にあり、同じ南部でも移動の軸が違う。海岸だけでなく、周辺の島々へ進む拠点として見る。

二つの浜と、島々への船旅

チャウエンビーチ

島を代表する海岸の一つ。店や宿泊施設が集まり、にぎわいのある島の滞在拠点になる。

ボープット・フィッシャーマンズビレッジ

古いショップハウスと海沿いの店が並ぶ地区。海水浴だけではない、島の街歩きの入口になる。

アーントーン国立海洋公園アーントーンこくりつかいようこうえん

サムイ島の西側に広がる島しょ群。船で島々の地形や海を見る日帰りの選択肢になる。

ITINERARY

初めてのタイ、日数別の考え方

3日——バンコク+アユタヤ

バンコクで王宮、川、市場を見て、歴史を足すならアユタヤへ進む。短い旅行で北部と南部まで詰め込まない。

5日——バンコク+チェンマイ、または南部一地域

都市と北部文化ならバンコク+チェンマイ。海が目的ならプーケット、クラビ、サムイ島のうち一つを主役にする。

7日——一つの方向を深くする

歴史ならバンコク+アユタヤ+スコータイ+チェンマイ。東北部ならバンコク+ナコーンラーチャシーマー。海ならアンダマン海側かタイ湾側を選び、両海岸を一度に回ろうとしない。

FOOD

タイで覚える、食の入口8つ

FIG. 02
名前・読み・最初の理解
名前読み最初の理解
パッタイパッタイ米麺を炒め、甘味・酸味・塩味を合わせる定番
トムヤムクントムヤムクン酸味と辛味、香草を使うエビのスープ
ゲーンキアオワーンゲーンキアオワーンココナツミルクと青唐辛子を使う、いわゆるグリーンカレー
カオマンガイカオマンガイ鶏のうま味を含むご飯と鶏肉をたれで食べる料理
カオソーイカオソーイココナツ風味のカレースープと麺を合わせる北部料理
サイウアサイウア香草や香辛料を使う北部のソーセージ
ソムタムソムタム青いパパイヤを使う和え物。東北部イサーンの食文化と結びつく
マッサマンカレーマッサマンカレー香辛料、ココナツミルク、肉などを煮込む料理

料理名を全部覚える必要はない。相手が訪れた地域と、その地域の料理を一つ結びつけると、食の質問が具体的になる。

EIGHT WORDS

会話に持ち帰る、タイの8語

  1. バンコク——王宮と市場
  2. アユタヤ——川に囲まれた王都
  3. チェンマイ——北部文化と山
  4. スコータイ——寺院と水路の古代都市
  5. ナコーンラーチャシーマー——イサーンの入口
  6. プーケット——大きな島と旧市街
  7. クラビ——石灰岩と船
  8. サムイ島——タイ湾側の島

一問だけ持ち帰るなら

「バンコクの外では、どの方向まで足を延ばしました?」

北ならチェンマイやスコータイ、東北ならイサーン、南ならプーケット・クラビ・サムイ島へ話を広げられる。

運行状況、所要時間、施設の営業時間、海況は、旅行前に各公式サイトで確認してください。