大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

FASHION — ファッション・ブランド図鑑 — New Balance

New Balance——履き心地で選ばれてきた

足を支える中敷きを作る会社として始まり、のちにランニングシューズへ広がった。日本での見られ方は、この二十年で大きく動いている。

足を支える中敷きから始まり、いまも足の幅でサイズが選べる靴。履き心地で選ばれてきたものが、そのまま落ち着いた普段着に入っている。

ORIGIN

足を支える中敷きから始まった

1906年、ボストンで足を支える中敷きを作る会社として始まった。扁平足の人のためのアーチサポートが最初の商品で、売り先は立ち仕事の人たちである。

そこからランニングシューズへ広がり、1960年に出たトラックスターでは足の幅のサイズ展開を始めた。走るために作られ、履き心地で選ばれてきた靴である。

グレーのニューバランス574を真横から。スエードとメッシュの切り替えの定番スニーカー
574。スエードとメッシュを切り替えた作りで、側面に大きなNが入るPhoto: LeDroider / Wikimedia Commons / CC0 1.0(リサイズ)
SHIFT

グレーという色と、実用品だった時期

グレーが定着したのは1980年前後だ。当時の走る靴は白や鮮やかな色が主流で、この色は都市のコンクリートや石畳になじむこと、汚れが目立たないことから選ばれたとされる。長く履くための色だった。

日本での見られ方は、その後に動いた。2000年代には、ランニングやウォーキングの実用品という印象が強かった。

NOW

いまはどんな人が履くブランドか

年代では分かれない。同じ灰色の一足を、若い人も上の世代も並んで履いている。

中心にいるのは、履き心地を先に見ながら、落ち着いた普段着にもなじませたい人だ。足の幅が広くても入る型があり、長く歩いても疲れにくい。

控えめな灰色の見た目は、太めのパンツなど、落ち着いた普段着にも合わせやすい。

そのうえに、品番まで詳しく選ぶ愛好者がいる。574か、996か、2002Rか。数字の違いで話ができる人たちだ。

コンクリートの段に並んだ灰色の574が三足。大人用が二足と、面ファスナーの子ども用が一足
灰色の574。同じ色・同じ形が、大人用から子ども用まで並ぶPhoto: MIKI Yoshihito / Wikimedia Commons / CC BY 2.0(リサイズ)
PIECES

代表的なモデル

574——グレーのスエードとメッシュ。側面に大きなNが入る。

990——1982年発売。米国製で、当時としては高価だった一足。574より底が厚く、量感がある。

996——574より細身で、底も薄い型。

NEIGHBOURS

近いブランドとの違い

同じく走る靴から街へ出てきたASICSと並べられることが多い。どちらも競技用の形がそのまま街で履かれている。見た目でいえば、574や990はスエードとメッシュで、素材そのものに光沢がない。あちらは切り替えの線がさらに多く、光る素材も混ざる。