足を支える中敷きから始まり、いまも足の幅でサイズが選べる靴。履き心地で選ばれてきたものが、そのまま落ち着いた普段着に入っている。
足を支える中敷きから始まった
1906年、ボストンで足を支える中敷きを作る会社として始まった。扁平足の人のためのアーチサポートが最初の商品で、売り先は立ち仕事の人たちである。
そこからランニングシューズへ広がり、1960年に出たトラックスターでは足の幅のサイズ展開を始めた。走るために作られ、履き心地で選ばれてきた靴である。

グレーという色と、実用品だった時期
グレーが定着したのは1980年前後だ。当時の走る靴は白や鮮やかな色が主流で、この色は都市のコンクリートや石畳になじむこと、汚れが目立たないことから選ばれたとされる。長く履くための色だった。
日本での見られ方は、その後に動いた。2000年代には、ランニングやウォーキングの実用品という印象が強かった。
いまはどんな人が履くブランドか
年代では分かれない。同じ灰色の一足を、若い人も上の世代も並んで履いている。
中心にいるのは、履き心地を先に見ながら、落ち着いた普段着にもなじませたい人だ。足の幅が広くても入る型があり、長く歩いても疲れにくい。
控えめな灰色の見た目は、太めのパンツなど、落ち着いた普段着にも合わせやすい。
そのうえに、品番まで詳しく選ぶ愛好者がいる。574か、996か、2002Rか。数字の違いで話ができる人たちだ。

代表的なモデル
574——グレーのスエードとメッシュ。側面に大きなNが入る。
990——1982年発売。米国製で、当時としては高価だった一足。574より底が厚く、量感がある。
996——574より細身で、底も薄い型。
近いブランドとの違い
同じく走る靴から街へ出てきたASICSと並べられることが多い。どちらも競技用の形がそのまま街で履かれている。見た目でいえば、574や990はスエードとメッシュで、素材そのものに光沢がない。あちらは切り替えの線がさらに多く、光る素材も混ざる。