日本の登山家が、自分たちに必要な道具を作るところから始めたメーカー。作り手が使い手でもある、という成り立ちがそのまま続いている。
自分たちに必要な道具を、自分たちで作る
1975年、登山家の辰野勇が山仲間二人と設立した。アイガー北壁を日本人として二番目に登った人物である。
自分が欲しい山の道具を、自分たちの手で作る。掲げたのは機能美と、軽さと速さ。最初に取り組んだのは、軽くて速く乾く化繊の中綿を使った寝袋だった。

山の道具が、山以外の場所へ届いた
まずは遠征で使われる山の道具として知られていく。軽くて丈夫で、濡れても機能が落ちない。山でそれが要る理由は、はっきりしている。
同じ性質が、山以外の場所でも要るものだった。災害の現場で使われ、旅の荷物になり、外で働く人の仕事着にもなる。山の店だけでなく、地方の町の売り場や道の駅にも置かれるようになった。

いまはどんな人が選ぶブランドか
中心にいるのは40代から50代で、実際に山へ行き続けている人たちだ。週末に登り、キャンプや釣りにも出かける。長く続けている人ほど、道具を見る目が実際的になっていく。
もう一つ、山へは行かないが同じ理由で選ぶ人がいる。流行や高級感より、雨と寒さにどれだけ効くか、その働きと値段が釣り合っているかを先に見る人だ。旅行の荷物に入れ、外で仕事をする日に着て、普段の雨具として使う。
売り場も、その選び方に応える形をしている。素材と用途で分けてあり、今年の流行という棚がない。色は山で見つけてもらうための強いものが多く、街に置くとそこだけ目立つこともある。
見た目の流行より、必要な機能を先に選ぶ。選んでいった結果として、これを着ていた——そういう人が中心のブランドだ。

代表的な製品
寝袋——創業時の起点そのもの。軽くて速く乾く化繊の中綿から始まっている。
ストームクルーザー——雨と風を防ぐレインウェア。長く作り続けられている代表作にあたる。現行の型は自社開発の生地を使っている。
スペリオダウン——軽くて薄いダウン。
ジオライン——肌に近いところで着る下着。