大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

FASHIONファッション・ブランド図鑑Levi's

Levi's——労働の服から、デニムの基準へ

1870年代、丈夫な作業ズボンとして生まれた。映画や若者文化を通して街の定番になり、いまは新品の基準としても、色落ちを楽しむ古着としても選ばれている。

デニムの基準として置かれている一本。新品としても、穿き込んだ古着としても選ばれている。

ORIGIN

労働用の丈夫なズボンとして生まれた

1853年、サンフランシスコの雑貨卸として始まった。服屋ではなく、西部の商店へ商品を供給する会社だった。

丈夫なズボンを求める客に応えて、ポケットの角と前立ての付け根を銅のリベットで留める方法を考えたのは、ネバダの仕立屋ジェイコブ・デイビスである。一人では特許の費用を出せず、生地の仕入れ先だったこの会社と組んで1873年に特許を取った。

着ていたのは鉱夫、鉄道労働者、機械工、木こり、船乗り、農夫、カウボーイ。服を酷使する仕事の人たちのための道具だった。

色落ちしたデニムの尻ポケット。赤いタブとアーチ状のステッチの接写
尻ポケットの赤いタブとステッチ。もとは作業着の目印で、後に年代を見分ける手がかりにもなったPhoto: Olgierd Rudak / Wikimedia Commons / CC0 1.0リサイズ
SHIFT

映画と若者文化を通って、街の定番へ

1930年代、東部の人々が西部の牧場へ休暇に出かけるようになると、会社はカウボーイを前に出した。仕事で穿く人以外へ売られ始めたのは、この頃にあたる。

1950年代には映画の若い俳優が穿いて、若者の服になる。学校が禁止した例もあった。

日本では1980年代に、古い一本の色落ちが現行品と違うことに気づいた人たちが古着を探し始める。1990年代には雑誌が特集を組み、若者が古着屋を回った。

NOW

新品と古着、二つの選ばれ方

デニムの王道を一本持っておきたい人と、穿き込んだ変化に魅力を感じる人。同じブランド名が、この二つを引き受けている。

新品は、形も値段も基準になりやすい。長く作られてきたぶん、ほかを見るときの起点にできる。

古着のほうは、色落ちが選ぶ理由になる。加工していない濃い色から始めると、藍は糸の表面にしか乗っていないので、擦れたところから白い芯が出てくる。同じ濃さから始めた二本が、穿いた人によって別の顔になる。

PIECES

代表的な型

501——ボタンで前を留める型。このブランドを代表する一本にあたる。

505——ジッパーで前を留めるレギュラーフィット。

トラッカージャケット——1960年代に出た三代目のデニムジャケット。いまの定番の形にあたる。最初のデニムジャケットは1936年の506で、胸のポケットが左だけに付いていた。

NEIGHBOURS

近いブランドとの違い

同じ時期のアメリカに生まれたデニムのメーカーには、リーとラングラーがある。始まりが違う。リーは作業着全般を扱う会社から、ラングラーはロデオの選手向けの服から出ている。

いまも三社とも現行のブランドで、売り場では隣に並ぶ。リーは作業着の流れを汲む型を、ラングラーは西部の匂いを残した型を、それぞれ看板にしている。