気取らない定番として選ばれている靴。発売から百年、骨格はほとんど変わっていない。履いている人の年齢の幅もとにかく広い。
ゴム長靴の会社の、冬以外の商材だった
1908年、マサチューセッツのゴム靴の会社として始まった。雪と湿地の多い土地で長靴を作っていて、冬以外の売上を埋める商材として、1917年にバスケットボール用の靴を出す。のちに「All Star」の名が付いた。
名前になっているチャック・テイラーは、1920年代に入社した営業と巡回コーチを兼ねた人物だ。靴を設計した人ではない。売り広めた人の名前が、そのまま靴の名前になっている。

競技から外れたあと、街で履かれた
1960年代には競技用の主流だった。ところが1970年代、革と新素材を使う他社に抜かれて競技から外れる。
その後に広まったのは、街のほうだった。安く、丈夫で、誰でも履ける布の靴として、パンクにも、グランジにも、路上にも、スケートにも履かれていく。
一つの場所から広まったのではなく、別々の場所で別々に選ばれた。
いまはどんな人が選ぶブランドか
目立つ模様も、大きなロゴもないので、ジャケットの下でも、パーカーの下でも収まる。
音楽やスケートとの歴史を持ちながら、いまは特定の趣味に限られない定番になっている。気取らないカジュアルを自然に着ている、という見え方に近い。
代表的なモデル
オールスター——バスケットボール出自。ハイカットとローカットがあり、色数も多い。
ジャックパーセル——バドミントンの世界王者の名が付いたローカット。もとは別の会社の商品だった。つま先のゴムに一本線が入っている。
ワンスター——一つ星のマークが側面に入るローカット。スエードのものが多い。
近いブランドとの違い
売り場でよく隣に並ぶのがVansだ。どちらも布とゴムで作られ、値段も近く、街でのラフな使われ方も重なる。ヴァンズにはスケーターの求めに応じて作られた型があり、その雰囲気がいまも残っている。コンバースの定番は競技用に作られた形がそのまま残ったもので、スケートに限らず、いくつもの場所で履かれてきた。