大人男子の趣味教養OTONA DANSHI NO SHUMI-KYOYO

ART連載「美術館の教養」

連載「美術館の教養8

首都圏の展覧会と現代アート展示へ出かけたとき、何を見ているのか。名画の実物、宗教画の場面、印象派の絵具、日本美術の形式、現代アートの空間、そして展覧会そのものの組み立てまで、全8回。

8回・完結

どの回からでも読めます。回どうしの参照はすべてリンクになっているので、気になったところから入って、あとから繋げても大丈夫です。

第1回・無料
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美術館巡りは、何を楽しんでいるのか

同じ美術館でも、会期が変われば出品作品も章立ても変わる。名画展では実物の大きさと絵具の表面を、現代アート展では部屋の広さと過ごす時間を見る。首都圏のどこで何に出会いやすいかも扱う。

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  • 02
    西洋絵画の展示室で、何が変わってきたのか西洋絵画の展示室を歩くと、金色の背景から、人体と空間、強い光、近代の生活、絵具の跡へと画面が移っていく。年号や様式名を並べるのではなく、画面の上で何が変わったかを見ていく。
  • 03
    宗教画は、登場人物と場面が分かると読めるキリスト教絵画に繰り返し描かれる四つの場面を、人物、持ち物、身振り、配置から見分ける。信仰の意味を一つの暗号へ縮めず、画面で確かめられる手がかりから作品へ入る。
  • 04
    ルネサンスとバロックは、静けさと動きで見分けるラファエロ、カラヴァッジョ、ルーベンスの作品を順に見て、ルネサンスとバロックの空間、身体、光の違いをつかむ。静と動を便利な入口として使い、時代を完全な二分法にはしない。
  • 05
    印象派——モネの水面、ルノワールの室内、ドガの稽古場モネ、ルノワール、ドガの作品を使い、印象派が光、筆触、近代の生活をどう画面へ持ち込んだかを見る。三人を同じ作風へまとめず、それぞれが何を描こうとしたかを比べる。
  • 06
    日本美術は、余白と視線の移動から見る絵巻、掛軸、水墨画、屏風、琳派、浮世絵を、額縁絵画と同じ尺度へ押し込まずに見る。作品の形式、見る距離、身体の動きから、余白と視線の移動をつかむ。
  • 07
    現代アートの展示室では、何が作品なのか現代アートの展示室では、壁に掛かった絵だけを探すと何も見つからないことがある。素材、置かれた場所、続けられる行為、観客の動き。何が作品を成り立たせているのかを、具体的な光景から見ていく。
  • 08
    美術展は、作品の並び順まで面白い展覧会のタイトルは扱う範囲を示し、章の見出しは作品の束ね方を示す。隣り合う二点の並び、照明と壁の色、最後の展示室、そして図録まで、組み立てられたものとして展覧会を見ていく。