「◯◯諏訪神社」の総本社は、長野県の諏訪大社である。ただしこの社は、諏訪湖を囲むように、上社の前宮と本宮、下社の春宮と秋宮——四つの社に分かれている。創建は古事記の国譲り神話にさかのぼるとされ、最も古い神社の一つに数えられる。
成立と展開
『延喜式神名帳』には南方刀美神社と記され、信濃國四十八座の第一に置かれている。この時点ですでに信濃國一宮として信仰されていたことが分かる。
明治4年に国幣中社、同29年に官幣中社、大正5年に官幣大社へ昇格。昭和23年、それまでの「諏訪神社」から、全国各地の御分社の多くが「諏訪神社」と称することから、総本社として「諏訪大社」へ改称した。いまの社名は、分社の広がりを受けて後から定まったものである。
雨や風、水を司る神として、また狩猟、農業、航海の安全、勝負の神として、朝廷から武将、庶民まで広く信仰されてきた。
現地で確認できるもの
四社のうち本宮・春宮・秋宮は本殿を持たない。自然そのものを御神体とする、古来からの信仰の形をいまに伝えている。春宮の御神木は杉、秋宮はイチイである。社殿の奥に建物ではなく樹や山があるという構造は、他の多くの神社とは異なる。
神紋は梶の葉。葉が三枚あるので三本梶ともいい、足の数が四本なら上社、五本なら下社と分かれている。境内で神紋を見れば、いまどちらの社にいるかが分かる。
同じ名でも、異なる点
諏訪大社そのものが四社に分かれ、上社と下社では神紋も社殿の構えも違う。「諏訪大社」と一括りにできるほど、内部は均質ではない。
各地の諏訪神社も、勧請の時期と地域での役割はさまざまである。社名は手がかりだが、そこから祭神や由緒を一意に読み取ることはできない。