中学校で科学を教えていた男が、宇宙船の中で目を覚ます。記憶が飛んでいて、自分が誰で、なぜここにいるのかが分からない。分かるのは、乗っていた三人のうち生き残ったのが自分だけだということだけである。この映画の面白さは、分からないことを一つずつ実験で潰していく過程にある。そして途中から、その作業を一人ではやらなくなる。
ひとことで言うと
太陽のエネルギーが未知の原因で奪われ、このままでは数十年で地球が氷河期に入る。原因を調べるために宇宙へ送り込まれたのが、元は分子生物学の研究者で、いまは中学校の科学教師をしているライランド・グレースである。
武器は科学の知識だけ。 そして片道分の燃料しか積んでいない。
登場人物
| 人物 | まず覚えること |
|---|---|
| ライランド・グレース(ライアン・ゴズリング) | 中学校の科学教師。元は分子生物学の研究者。宇宙船ヘイル・メアリー号で目を覚ます |
| エヴァ・ストラット(ザンドラ・ヒュラー) | 地球側で対策の指揮を執る責任者。世界中から科学者を集める |
| ロッキー | グレースが宇宙で出会う地球外の生命体。予告編にも姿が出ている |
目覚めたグレースと、彼を送り出した地球側。まず必要なのはこの二つで、ロッキーが出てくるのは途中からである。
ネタバレなしの始まり
グレースは、医学的に起こされた昏睡から目覚める。記憶が戻らないまま、船内の状況を確かめていく。少しずつ、自分が科学教師であり、以前は分子生物学者だったことを思い出す。
そこに回想が挟まる。太陽が暗くなっていること。太陽から金星に向かって赤外線の帯が伸びていること。その帯の中にいる微生物が太陽の表面で増え続け、このままでは三十年以内に地球が壊滅的に寒冷化すること。地球側の責任者ストラットが、世界中から科学者を集めたこと。
グレースはその調査の一員だった。 そして、たどり着こうとしている先には、なぜか光が弱まっていない恒星がある。
なぜ話題になったか
原作はアンディ・ウィアーの小説である。監督はフィル・ロードとクリストファー・ミラーで、脚本はドリュー・ゴダード。上映時間156分、2026年3月20日に日米同時公開された。
配給のソニー・ピクチャーズは、IMAX認証のデジタルカメラでの撮影と独自の工程を組み合わせた「Filmed For IMAX」作品として、IMAXでの上映も行うと発表している。
国内の感想で特によく挙がるのは、途中から現れる相棒の存在である。
どこが面白いのか
分かることが、少しずつ積み上がっていく
分からないことに対して、手元にあるもので試し、結果を見て次の仮説を立てる。用語を並べて済ませるのではなく、何をどう確かめたのかが画面で追える。船内でいま起きていることと、地球で何があったのかが交互に出てくるため、グレース自身の状況も同じ速さで判明していく。
途中から、一人ではなくなる
このあと何が起きるかは伏せるが、国内で繰り返し語られているのはここである。科学の話として観に行った人が、別のものを受け取って帰ってくる。
グレースが宇宙へ送られた経緯と、目的地で直面する問題を結末まで追う。※壁の内側は結末を含みます。
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