持ち味はシンプルで、走力。それも90分間落ちない走力だ。前線からの猛烈なプレスで相手に考える時間を与えず、裏への一直線のスプリントで守備の並びを壊す。セルティック(スコットランド)では212試合79得点を記録し、2024-25シーズンは33得点でPFAスコットランド年間最優秀選手に選ばれた。2026年7月、イプスウィッチ・タウンへ移籍し、プレミアリーグでプレーする。
30秒で分かる選手
所属
イプスウィッチ・タウン
イングランド・プレミアリーグのクラブ。2026年7月25日にセルティックから加入(クラブ公式発表)
ポジション
FW
前線。W杯2026の初戦では左シャドーでも先発した
代表での歩み
W杯2026に出場
スウェーデン戦で先制点。加入時のクラブ公式発表では代表30試合5得点
強みの一言
走って、選択肢を消す
ボールを奪うより先に、相手が蹴れる方向を一つずつ減らす
最初に見る場所
ボールを持っていない時間
相手のGK・DFがボールを持った瞬間、前田がどこへ走るか
会話メモ
何が強いのか
前線から走って、相手の選択肢を消す。 2022年W杯スペイン戦の同点ゴールがその形だった。JFA公式の記述では「左サイドで三笘選手と前田選手が連係して相手DFを押し込み、さらに前田選手がGKシモン選手に激しく寄せます。相手GKは味方にボールを出しますが、伊東選手が相手と競り合って落とし」——そのこぼれ球を堂安が決めた。前田自身はボールに触っていない。
全力で走った直後に、GKの位置を見ている。 W杯2026スウェーデン戦の先制点。堂安のスルーパスに走り込み、JFA公式の記述では「GKの位置を見ながら左に流し込んで」決めた。走り切った後に落ち着いて見られるかどうかが、走力の価値を決める。
「走る選手」で終わらない得点数。 セルティックでの通算は212試合79得点。2024-25シーズンは33得点を挙げ、PFAスコットランド年間最優秀選手に選ばれた。走力の説明だけでは足りない数字である。
ここまでの歩み
セルティックでの通算は212試合79得点。クラブ公式の発表によれば、在籍した5シーズンすべてでスコットランドのリーグ優勝を経験している。
2026年7月25日、イプスウィッチ・タウンへ移籍した。契約は2029年夏まで。加入にあたって本人はこう話している——「I have always dreamed of playing in the Premier League and I am very happy I can realise that dream with this club.(プレミアリーグでプレーすることをずっと夢見てきました。このクラブでその夢を実現できて、とても嬉しい)」。
同じコメントの中で、自分の役割も定義している——「My aim will always be to battle hard, score goals, and provide assists for my team – I will always run and give everything that I have.(自分の目標はいつも、激しく戦い、点を取り、味方にアシストを届けること。いつでも走り、持っているものをすべて出します)」。クラブ史上初の日本人選手として、同じことをプレミアリーグでやろうとしている。
次の試合で見るポイント
相手のGKかDFがボールを持った瞬間、前田がどこへ走るか。ボールへの最短距離ではなく、相手が蹴りたい方向へ先に体を運んでいれば、その走りは効いている。
サッカー好きの中で共有されている3つの前提
走るのは、奪うためだけではない。 相手の選択肢を減らすための走りは、記録には残らない。
ボールに触らない得点関与がある。 2022年スペイン戦の同点弾のように、前田が寄せた結果として点が入ることがある。
移籍は、上下ではない。 リーグが変われば求められる走り方も変わる。スコットランドでの数字がそのまま移るとは限らない。
推すならここ
ボールが自陣にあるとき、画面の端を見る。前田はもう次の守備位置へ走っている。相手GKへ走ってコースを限定した数分後に、その同じ方向から点が生まれる——という因果を追えるようになると、この選手が一番面白い。